管理人のイエイリです。
建設業界の人手不足や生産性向上などの問題を施工ロボットやIoT(モノのインターネット)で解決しようと、2021年にスタートした「建設RXコンソーシアム」(以下、RXコンソ)には、スーパーゼネコン5社をはじめ200社以上が大集結しています。
その活動からついに、初の成果となる施工機械が誕生しました。
上の写真がその機械です。その名も「防音カバー付き電動ハンドトロウェル」というもので、
ナ、ナ、ナ、ナント、
コンクリート床の仕上げ
を行うものなのです。(竹中工務店、鹿島建設のプレスリリースはこちら)
RXコンソーシアムの中で、コンクリート版(スラブ)の省力化施工実現を目指す「コンクリート施工効率化分科会」の活動を通じて、竹中工務店と鹿島建設が共同開発したものです。
従来のハンドトロウェルは、ガソリンエンジンで動くものが主流でした。そのため、建築現場など閉塞(へいそく)空間で使う時には大がかりな換気設備やエンジンの騒音に対する配慮が必要でした。
一方、電動式の機種もありましたが、電源用の有線ケーブルが作業のじゃまになったり、充電式のものはパワー不足だったりといった課題がありました。
今回、開発した電動トロウェルはバッテリー式なので、現場の空気を汚さず、騒音も日常会話レベルの60dBと静かで、しかもパワー不足も解消と、“3拍子そろった性能”を実現したのです。
動力源には本田技研工業(Honda)が開発した建設機械用の一体型電動パワーユニット「GXE2.0H」を採用しました。72Vの充電式リチウムイオンバッテリーを使用し、1.8kW、3600rpmというハイパワーを発生します。
バッテリーのもち時間は気温などの条件によって30分~1.5時間と変わりますが、予備バッテリーを用意しておくと次々と交換して使えます。
そして、1日の使用で約23㎏のCO2削減にも寄与するという、環境への配慮も忘れてはいません。
この性能のおかげで、市街地での夜間作業でも、気兼ねなく使えるので、
工期短縮にも寄与
します。
さすが、現場のマシンユーザーが集結したRXコンソ発のマシンだけあって、現場での実用性が高く、市場での競争力も感じますね。
マシンの製作は友定建機(本社:大阪府東大阪市)とAJ Tech JAPAN(本社:大阪府吹田市)が担当しました。
このマシンは、RXコンソの会員でもあるアクティオ(本社:東京都中央区)を通じて、2023年3月から既にレンタルが開始されているそうです。ご興味のある方は、現場で試してみてはいかがでしょうか。
●防音カバー付き電動ハンドトロウェルの仕様
電動ユニット | GXE2.0H |
最大出力 | 1.8kw 3600r.p.m |
バッテリー持ち時間 | 30分~1.5時間 (外気温等条件による) (バッテリーは複数用意し、交換対応可) |
寸法 | L1860×W793×H690㎜ |
重量 | 82㎏ |