竹中工務店とHEROZが構造設計AIを開発! 高付加価値な“攻めの構造提案”をスピーディーに
2023年10月19日

管理人のイエイリです。

建物のデザインや建設コストは、構造設計に大きく左右されます。しかし、構造設計用のモデルを作成して応力解析を行い、それを設計に反映して積算というこれまでのワークフローは時間がかかり、柱や梁が「もつ」「もたない」の検討に終始しがちでした。

そこで竹中工務店はAI(人工知能)開発企業、HEROZ(本社:東京都港区)とともに、構造設計業務を自動化するため「構造設計AIシステム」を開発し、このほど全面導入しました。

従来の構造設計のワークフロー(上段)と、「構造設計AI」を使ったワークフロー(下段)の違い(以下の資料:竹中工務店)

従来の構造設計のワークフロー(上段)と、「構造設計AI」を使ったワークフロー(下段)の違い(以下の資料:竹中工務店)

その特長は、プロジェクトの初期段階で、建物の構造計画や部材断面を、

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIでスピード決定

できることなのです。(竹中工務店のプレスリリースはこちら

竹中工務店は、2001年に独自開発した構造設計システム「BRAINNX(ブレインエヌエックス)」で、建物約500件、構造部材約30万件もの設計を行い、その情報は社内の「建設デジタルプラットフォーム」に蓄積されています。

「構造設計AI」は、その情報を学習しており、まず「AI建物リサーチ」という機能で、類似性の高い過去物件を自動検索し、数量比較表を自動作成してくれます。

「AI建物リサーチ」の機能で過去の類似物件を自動検索し、床面積や構造種別、数量などの比較表を自動的に作ってくれる

「AI建物リサーチ」の機能で過去の類似物件を自動検索し、床面積や構造種別、数量などの比較表を自動的に作ってくれる

次に建物の形状や床面積、階数などの概略データを入力すると、「AI断面推定」の機能によって柱や梁などの配置や必要断面寸法を推定します。

これまではベテランの構造設計者が過去の仕事を思い出しながら、「あのビルではこんな断面だったな」などと、断面を仮定していたところですが、過去の設計実績から「データドリブン」な手法で同様なことが行えるのです。

「AI断面推定」機能の内容。建設デジタルプラットフォームの情報から、データドリブンな手法で断面を推定する

「AI断面推定」機能の内容。建設デジタルプラットフォームの情報から、データドリブンな手法で断面を推定する

その次の特長は、「AI部材設計」の機能によって、何度も

何度も構造解析

を繰り返せることです。

同じ骨組み構造でも、柱や大梁の断面などを少しずつ変えて解析を繰り返すことで、安全性や生産性の高い最適な構造設計案を追求できます。

同じ骨組み構造のモデルに対して、断面を少しずつ変えた複数の案を自動的に提示する

同じ骨組み構造のモデルに対して、断面を少しずつ変えた複数の案を自動的に提示する

構造解析を何度も繰り返すことで、部材種類と部材量の最適な案を定量的に絞り込める

構造解析を何度も繰り返すことで、部材種類と部材量の最適な案を定量的に絞り込める

これまでの構造設計のワークフローだと、手間ひまがかかるので、柱や梁が「もつ」ことが確認するまでが大仕事でした。

そのルーティン的な作業を自動化し、繰り返し行えるようにしたことで、Q(品質)、C(工費)、D(工期)、S(安全)、E(環境)の高付加価値化を目指す“攻めの構造提案”も可能になりそうですね。

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