管理人のイエイリです。
コンクリート工事の品質管理で重要なのは、生コン打設時にバイブレーターで入念に締固めを行い、型枠や配筋の内部にしっかりと充てんすることです。
しかし、だだっ広いコンクリートスラブなどを複数の作業員で締め固める時は、どの場所をだれが締め固めたのかが分からなくなってしまう心配もありますね。
そこで、イクシス(本社:神奈川県川崎市)は、コンクリートの締め固めもれがないよう、しっかりと管理できる「AR締固め管理システム」を開発しました。
コンクリートを締固めた位置を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
スマートフォンで見える化
できるのです。(イクシスのプレスリリースはこちら)
AR(拡張現実)技術によって、スマホの画面上に、現場の風景とバイブレーターで締固めを行った位置が重畳表示されていきます。
バイブレーターの径によって、締固めの効果範囲が設定できるので、最適な締固め間隔もわかります。
そのため、締固めをしていない場所が、作業しながらリアルタイムに確認できるので締固め忘れの心配がなくなります。
一方、他の作業者が締固めた位置も表示されるので、同じ場所を何度も締め固めるという作業のムダもなくなります。
締固め時間によってプロットの色も変わるので、締固め時間のムラも少なくなります。
締固め状況のデータは、施工管理者のパソコンにも送られて、複数作業者の施工状況をリアルタイムに一元管理でき、結果の出力や保存も簡単です。
そして、このシステムは国土交通省が運営する新技術情報システム
NETISに登録
されたのです。(NETIS登録番号:KT-230163-A)
使用上の注意としては、現場と図面上の位置を「ARマーカー」で合わせること、深さ1.5mまでの締固めに使うこと、スマホとのデータ通信はWi-Fiを使い、ルーターとの距離は60m以内にすること、などがあります。
似たようなシステムとしては、振動ローラーを使って盛り土の締固め管理をGNSS(全地球測位システム)で行うシステムなどがありますが、小規模でGNSSが使えない現場用にARを使ったのがポイントと言えるでしょう。