東京・品川から各地のドローン5機を同時に遠隔操縦! NEDO、JAL、KDDIがチャレンジに成功
2024年11月18日

管理人のイエイリです。

ドローン(無人機)の操縦は、従来のラジコン飛行機のようにパイロットからドローンが見える範囲で飛ばすのが普通でしたが、最近は目視外飛行やコースを設定しての自動飛行も増えてきました。

そんな中、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とKDDI日本航空(JAL)は2024年10月28日から31日に行われた実証実験で、画期的な成果を実現しました。

東京・品川に設けた操縦室から、

ナ、ナ、ナ、ナント、

1人で全国4カ所の5機

のドローンを、同時に遠隔操縦することに成功したのです。(NEDO、KDDI、JALのプレスリリースはこちら

1人のパイロットが全国4カ所、5機のドローンを同時に操縦する様子(以下の資料:NEDO、KDDI、JAL)

1人のパイロットが全国4カ所、5機のドローンを同時に操縦する様子(以下の資料:NEDO、KDDI、JAL)

もちろん、5機のプロポをパイロット1人が持ち、同時に手動で操縦したというわけではありません。

KDDIが開発した複数機を同時に運航管理できるシステムを活用し、JALが策定したドローンの運用手順に従って5機を品川からの指令で自動飛行させたものです。

全国4カ所で飛行する5機のドローンから送られてきたリアルタイム映像。バッテリー残量低下による緊急着陸などは、ボタン一つで操作できる(右側の赤枠内)

全国4カ所で飛行する5機のドローンから送られてきたリアルタイム映像。バッテリー残量低下による緊急着陸などは、ボタン一つで操作できる(右側の赤枠内)

ドローンの遠隔自動操縦では、各機体の運航状況や気象状況を、モニターディスプレーによってリアルタイム監視しながら、必要に応じ手動操作を加える高度な運航管理が求められます。

今回の実証では、5機を同時運航するため、システムの自動化と情報集約を進め、操縦者と運行管理システムの役割分担を明確化し、安全管理体制を構築しました。

運航管理システムには、予期せず他機が接近してきたときや、バッテリー残量が低下するなどのイレギュラー発生時に、画面上の

ポップアップと音声

によって操縦者にわかりやすく通知し、対処方法をアドバイスする機能を追加しました。

これにより、パイロットはイレギュラーが発生してもシステムの支援を受けて、あらかじめ定めたオペレーションマニュアルに従って、安全に運航を完了できることを検証しました。

想定されるリスクの評価と対応手順をマニュアルやチェックリスト化するイメージ

想定されるリスクの評価と対応手順をマニュアルやチェックリスト化するイメージ

今回の実証実験は、NEDOの「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(ReAMoプロジェクト)」における「ドローンの1対多運航を実現する機体・システムの要素技術開発」の一環として実施されました。

このプロジェクトは2022年度から始まっており、2022年度は鹿児島県の奄美エリアで目視外遠隔自動運行(レベル3)に成功、2023年度は埼玉県の秩父エリアにある3機のドローンを1人で品川から遠隔自動運行(レベル3.5)に成功と、実績を積み重ね、今回の4カ所5機の同時遠隔運行に結びつきました。

今回の実証でイレギュラー対応などの運行管理システムや運用手順の有効性と課題が確認できたため、今後はシミュレーション環境でのデータ蓄積や検証もすすめ、ドローンの複数機同時運行に関する制度設計にも生かして行く予定です。

2022年度からの遠隔自動運行の成果

2022年度からの遠隔自動運行の成果

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