管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用して設計や施工を行うとき、欠かせないのが建物各部を構成する部材のBIMコンテンツです。
さらにBIMモデルを他社と共有、交換しながら効率的に業務を行うためには、部材の名称や諸元などを含む「属性情報」も標準化する必要があります。
こうしたBIMの標準化を推進しようと、大林組は「Smart BIM Standard」(以下、SBS)というBIMモデリングルールを開発し、2023年1月にSBSウェブサイトを開設して情報を公開しています。(2023年1月17日付の当ブログ参照)
開設当初は1年間の限定公開の予定でしたが、継続公開中でこれまでに各コンテンツのダウンロード数は延べ3万件を超えています。
そして同社はこのほど、
ナ、ナ、ナ、ナント、
設備のBIMコンテンツ
やモデリングルールなどをSBSのウェブサイトで無料公開したのです。(大林組のプレスリリースはこちら)
BIMコンテンツは、オートデスクのBIMソフト「Revit」用に作られたもので、機械や電気、照明、通信などの機器が含まれています。SBSサイト上の一覧表ページから各コンテンツにリンクが張られているので、すぐに目的の設備データにアクセスできます。
コンテンツの公開は、建材情報やBIMデータを集めたプラットフォーム「Arch-LOGサービス」を活用しています。
設備SBSの開発に当たっては、大林組のBIM利用方針だけでなく、Revitユーザ会(RUG-jp)やBIMライブラリ技術研究組合(BLCJ)、building SMART Japan(bSJ)といったBIMの標準化や情報交流を行う団体の動向も考慮しています。
設備SBSのコンセプトを理解した設備設計者や設備専門工事会社は、公開済みのファミリやテンプレートを参考にして、原価や自社歩掛かりなどを含めた自社用のモデリングルールを作成できます。
大林組は今後もBIMに集約される「情報」を活用して、空調衛生設備と電気設備などのデータ連携や、機器の仕様情報のリスト連携、諸元表や計算書への情報連携も順次進めていきます。
いわば、データ連携の
オートメーション化
を実現しようというわけですね。
大林組は、業界を超えたBIMの一貫利用により、プロジェクト関係者間で情報伝達を合理化し、迅速な意思決定や打ち合わせ時間の短縮などによって、生産性向上を目指しています。
BIMの「I」こと、属性情報をうまく活用して、さらにBIM活用を進化させたいと考える設計事務所や建設会社などにとって、SBSサイトは宝の山と言っても過言ではないでしょう。