管理人のイエイリです。
工事の完成度合いを把握する進ちょく管理は、これまで施工管理者が現場を目視して判定していました。
しかし多くの機器や部材からなる設備工事の進ちょく管理は、大変な手間と労力がかかり、今後、労働人口が減少していく中で、いつまでも人手に頼っているわけにはいきません。
そこでリコー(本社:東京都大田区)と日本設備工業(本社:東京都中央区)は、工事の進ちょく管理を自動化するため、新たな技術開発に乗り出しました。
その方法とは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
360度カメラ、BIM、AI
を活用して設備工事の進ちょく度を自動判定するものなのです。(リコーのプレスリリースはこちら)
この取り組みでは、設備工事の「計画」となる完成BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データと、工事の「実績」となる現場のデジタルツインを仮想空間で重ね合わせることで、計画に対して各部分が何パーセント進ちょくしたのかを自動判定する技術を開発します。
デジタルツインは、360度カメラ「RICOH THETA X」で撮影した動画をもとに3D点群データを作成します。リコーのAI(人工知能)による画像認識技術を活用して、BIMデータとデジタルツインの位置合わせや差分検出、物体認識を行い、進ちょく度合を算出し、その差分を可視化します。
この技術開発によって
進ちょく判定を自動化
し、業務負荷の軽減を目指します。
現在、両社は一部施設で検証を開始しており、今後は対象範囲を拡大していくとのことです。実証期間は2025年3月24日から5月末の予定です。
今回の両社の共同開発は、2024年2月にリコーがリニューアルオープンした「RICOH BIL TOKYO」での、ユーザー企業との価値共創活動から生まれました。
「デザインシンカー」と呼ばれる専任の担当者がワークショップやヒアリングを通じて、潜在的な課題やニーズを掘り起こすとともに、両社の知見や技術を組み合わせることでアイデアを生み出しました。
建設業はAIやIT(情報技術)の活用によって効率化できる業務が山ほどありそうですが、そのニーズは潜在的なため、なかなかIT企業が気づけません。その点、「デザインシンカー」を仲立ちとして話し合う仕組みは、短時間で様々な課題解決が可能になりそうですね。