iPhoneで道路下の埋設管を“AR透視”! レフィクシアの「LRTK」で点群の普段使いが可能に
2025年4月1日

管理人のイエイリです。

レフィクシア(本社:東京都港区)の「LRTK」と言えば、iPhoneにセンチメートル級精度の測量が可能な「RTK-GNSS」機器を取り付け、グローバル座標での点群計測や座標取得などが行える“万能測量機”として、話題の製品です。(詳しくは、2024年9月2日付けのサクセスストーリーを参照

iPhoneとRTK-GNSS受信機を合体させてセンチメートル級精度の点群計測などが行える「LRTK」(特記以外に写真、資料:レフィクシア)

iPhoneとRTK-GNSS受信機を合体させてセンチメートル級精度の点群計測などが行える「LRTK」(特記以外に写真、資料:レフィクシア)

これまで、ユーザーからの求めに応じて次々と機能を追加してきましたが、点群計測機能とAR(拡張現実)機能が合体して、工事現場で普段使いできる機能が開発されました。

施工時に計測した埋設管の点群データを、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

道路上から“透視”

 

できるようになったのです。

施工後、道路上から埋設管の点群データをiPhoneで“透視”するイメージ

施工後、道路上から埋設管の点群データをiPhoneで“透視”するイメージ

これまで、埋設管の工事記録を行う方法は、埋め戻し前に写真撮影や測量を行い、その後CADソフトなどで図面化するという複雑なプロセスが必要でした。

ここ数年、埋設管工事の仮復旧後の路面に、埋設管の位置や本数、管径などの図面のようなイラストが描かれているのを目にする機会が増えたような気がしますが、工事記録として残すためだったのかもしれませんね。

仮復旧後の路面に描かれた埋設管のイラスト例。2017年に大阪市西区内で(写真:家入龍太)

仮復旧後の路面に描かれた埋設管のイラスト例。2017年に大阪市西区内で(写真:家入龍太)

その点、LRTKは埋設作業中にiPhoneで埋設管をスキャンし「LRTKクラウド」にアップするだけで、管の形状や埋設深さなどの点群データを高精度なグローバル座標情報とともに自動的に記録でき、様々な用途に使える3Dメッシュモデルも同時に作れるのです。

後で別の工事で現場を掘り起こす場合にも、管の位置を特定するために経験と勘が必要でしたが、iPhoneを通して現場を見るだけで管の位置や深さが誰でも分かるので、生産性向上や掘削時のミスによる事故防止などに大いに役立ちそうです。

LRTKによって現場を計測した点群データから作られた3Dメッシュモデル。3Dオブジェクトとしてダウンロードも可能だ

LRTKによって現場を計測した点群データから作られた3Dメッシュモデル。3Dオブジェクトとしてダウンロードも可能だ

この3Dメッシュモデルは、施工中にも様々な作業を効率化するのに役立ちます。例えば、スマホなどのWebブラウザーでLRTKクラウドにアクセスして点群データ上で寸法を測ったり、埋め戻しに必要な土量計算を行ったりすることができるのです。

施工中にLRTKクラウドにアクセスし、断面や管径などの寸法計測を行った例

施工中にLRTKクラウドにアクセスし、断面や管径などの寸法計測を行った例

一区間の埋め戻し土量を計算した例

一区間の埋め戻し土量を計算した例

区間を区切ってコンクリート打設量などの計算も行える

区間を区切ってコンクリート打設量などの計算も行える

現場のデータはクラウドで共有できるので、現場と事務所の間での情報共有も自動的に行えます。残土処理や生コンクリートの手配などの事務的な仕事を、事務所にいる人などが手伝うことも可能になりそうですね。

こうした機能を使いこなすのは、さぞかし大変そうだと思う方もいるかもしれませんが、現場の作業員の方々は、

 

事前研修なし

 

で使いこなしているそうです。

これまでのARは、現場の埋設管などをまずBIMモデル化して、それをAR用に加工してクラウドにアップ。それをARゴーグルなどにダウンロードして見る、というのが一般的でした。

その点、LRTKの点群とARを合体した新機能は、現場のiPhoneだけで実物の計測から3Dモデル化、ARでの活用までの作業を完結できるので、ARの普段使いが実現できそうです。

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