管理人のイエイリです。
ブルーイノベーション(本社:東京都文京区)が展開する球体ドローン「ELIOS 3」は、飛行中に3Dスキャナー機能を持つ「LiDAR」で高精度な3Dマップを作りながら、狭い施設内のさまざまなデータを収集できます。
そのため、複雑な工場施設内を遠隔操作で点検できるようになりましたが、パイロットにはバッテリーが切れるまでにドローンを手元に帰還させなければいけないというプレッシャーもかかっていました。
そこでELIOS 3の開発メーカーであるスイスのFlyability SAは、「スマート・リターン・トゥ・ホーム(Smart Return To Home。以下、Smart RTH)」という画期的な機能を開発しました。
バッテリー残量が減ってきたとき、施設内を飛行中のドローンを、
ナ、ナ、ナ、ナント、
最短ルートで自動帰還
させる機能なのです。(ブルーイノベーションのプレスリリースはこちら)

ドローンを自動帰還させる「Smart RTH」機能のイメージ。点検ルート上(ピンク色の線)で、3Dマッピングによって把握した施設の形状から、障害物を避けて帰還できる最短ルート(緑色の線)を自動計算し、離陸地点に帰還させる
Smart RTH機能は、点検中に作成した3Dマップで施設の形状を把握、これまでの飛行ルートにとらわれずに障害物を避けて飛行できる最短ルートを自動的に計算し、自動操縦によって離陸地点まで安全に帰還させるものです。
操縦アプリ「Cockpit」の画面上部にはバッテリー残量を確認できる「フライト管理ゲージ」が表示され、点検に使用できる時間が緑色、帰還に要する時間が赤色で示されます。
そして、いよいよ点検に使える時間がなくなってきたとき、パイロットは「RTH」と表示された
ボタンを押すだけ
で、自動操縦によってドローンを帰還させることができるのです。
このSmart RTH機能ができたおかげで、パイロットはバッテリーの残量や帰還のための経路を心配することなく、目の前の点検作業に集中することができそうですね。
帰還ルートの長さやバッテリー残量を定量的に管理できるので、バッテリーの残量を最大限に生かした点検を行いながら、パイロットのストレスも減らすことができます。
まさにドローン点検界の生産性向上と働き方改革を両立させる機能と言えるでしょう。