管理人のイエイリです。
上から下まで360度ぐるりと撮影できるリコーの全方位カメラ「RICOH THETA(シータ)」は、コンパクトなボディーと1回のシャッターで周囲を写真で記録できるとあって、ダウンライトの穴から天井裏を撮影するなど、建設業でも重宝されています。
しかし、ストロボをたいて撮影すると、近くにあるものが明るく写りすぎ、奥にあるものが見えにくくなるという問題がありました。
この問題を解決するため清水建設は、川崎市のものづくり企業3社と全方位撮影カメラ架台「PanoShot R」を共同開発し、代理店経由で発売しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
LEDライトを架台周囲
に配置し、照明光が360°遠くまで均一に届くのです。
架台の上部にはシータを取り付け、下部は自撮り棒に着脱できるようになっています。寸法はカメラを載せても直径95mm×高さ77mmとこぶし大の大きさで、重さはわずか184g(架台のみ)と軽量です。
電源は単4乾電池4本を使用し、連続で60分の点灯が可能で、照明は4m四方まで到達します。
例えば、天井裏を撮影する場合は、点検口やダウンライトの穴からシータをセットした架台を天井裏にいれ、天井裏に置いたり、自撮り棒で必要な位置まで挿入したりします。
そしてシャッター操作は、シータとスマートフォンで遠隔操作することにより行います。スマホのモニターで、写り具合を確認しながらシャッターを切れるので、確実に必要な映像が撮影できます。
この製品は、2018年4月に宅地建物取引業法(宅建業法)の改正による建物状況調査(インスペクション)が施行されることで、注目を浴びそうです。そのため、開発に当たっては三井不動産リアルティに使い勝手などの検証を依頼しました。
その結果、同社提携先のホームインスペクターからの評価も高く、営業担当者が物件調査を行う際の時間短縮や精度向上にも役立つという評価を得て、
同社から300台の購入予約
を受けました。
気になるお値段は6万円で、共同開発の代表企業である和興計測(本社:川崎市高津区)と建材商社のテクネット(本社:東京都中央区)が販売代理店となっています。
以前から同様な製品が販売されていましたが、今回の「PanoShot R」は円筒形の周囲に小型のLEDライトをちりばめたコンパクトさがいいですね。直径10センチ程度の小さな穴があれば、どこでも簡単に内部を撮影できそうです。