管理人のイエイリです。
3Dモデルを活用し、設計や施工を行う国土交通省の「i-Construction」施策が、2018年度から建築分野の官庁営繕工事に拡大されました。
その布石として、国交省は2017年12月から営繕工事の工事成績評定や電子納品要領などの基準類を改定してきましたが、2018年8月2日には、その第3弾として「施工BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」の導入に対応するため
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIMガイドラインの改定
を発表したのです。(国土交通省のプレスリリースはこちら)
この改定は、2018年度に実施する施工BIM試行工事から適用する予定です。
今回、改定されたのは「官庁営繕事業における BIM モデルの作成及び利用に関するガイドライン」(以下、BIMガイドライン)で、これを補足するため「BIM 適用事業における成果品作成の手引き(案)」(以下、手引き)が新たに作成、公表されました。
「BIMガイドライン」では、従来の受注者からの技術提案に加えて、発注者指定型のBIM活用に関する内容が新たに盛り込まれました。
設計業務編と工事編に分かれており、BIMモデル作成の対象や詳細度(LOD)、属性情報の入れ方のほか、BIMモデルを利用した施工計画書や施工図の作成方法についての基本的事項が記されています。
数量算出はBIMソフトの集計機能を使うことになっています。その際、壁と柱の接合部などの包絡処理などが反映されているかを留意するといった、具体的、実際的な解説も含まれています。
また、部材同士の干渉チェックについては、部材の外形寸法やクリアランスに加えて
施工や維持管理
に必要なスペースも考慮するということも記されています。
「手引き」では、用語の定義のほか、官庁営繕事業の設計業務や工事の成果品の作成方法について解説しています。
電子納品媒体の中に「ICON」というフォルダを作り、その中に「BIMデータフォルダ」を設けて意匠、構造、設備や地形などのBIMデータをオリジナルファイルと共通データ交換標準の「IFCファイル」で格納するようになっています。
国交省は今回のBIMガイドラインを、広く公共建築工事に活用してもらえるように、他の省庁や都道府県、政令指定都市にも情報提供したそうです。
その姿勢からも、施工BIMを有効に活用し、建築工事の生産性を向上させようという国交省の意気込みが伝わってきますね。