管理人のイエイリです。
これまでBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と測量機器は、別々に発展してきましたが、最近の現場で目立つのは両者が連携して使われていることです。
例えば、3Dレーザースキャナーで計測した点群データを、BIMソフトに読み込んで設計に使ったり、逆にBIMソフトで作成した施工図データを測量機に読み込んで、現場での位置を決める「墨出し」を行ったりといった使い方です。
こうした現状を踏まえて、測量機器の大手、トプコンとBIMソリューションの大手、オートデスクは2019年3月13日、東京で
ナ、ナ、ナ、ナント、
戦略的パートナーシップ
の契約を締結したことを発表したのです。(トプコンのプレスリリースはこちら)
両社の提携の目的は、測量機器とBIMソフト、さらにはクラウドサービスを一体化した建築・土木向けのワンストップソリューションを提供することです。
これによって機器やソフトの導入からトレーニング、サポートまでが体系化され、スムーズに行えるようになり、トータルな「生産性の向上」が実現することが期待されます。
実はこれまでも、両社の製品を連携させる取り組みが様々な現場で行われており、両社にはかなりの技術やノウハウが蓄積されています。
その技術やノウハウは、トプコンが国内4カ所に持つ「トレーニングセンター」などで、ユーザー向けに提供されるので、これまでICT建機やBIMの活用経験がない中小の建設会社なども、スキルを身につけることができます。
リアルな現場を得意とする測量機器メーカーと、バーチャルな3Dモデルデータを得意とする両社が、がっちりと組んだことで期待されるのは、
現場のIoT化
です。
つまり、リアルな現場→バーチャルなデータ化→現場での施工や墨出し、という双方向のワークフローが今回の提携でスムーズになっていくわけです。
今後はさらにAI(人工知能)やロボットによる知的作業や肉体的作業の自動化が進展することも期待されます。
施工BIMの世界は、これからますます進化していきそうですね。