管理人のイエイリです。
東京・上野に本社を置く設備工事会社、須賀工業業務企画室長の三木秀樹さんは、約20年前から社内ではCADのカスタマイズ開発、社外ではIAI日本の設備・FM分科会リーダーなどとしてBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の技術開発などに携わってきました。
三木さんは長年のCADやBIMの業務に基づいた論文「建築設備分野におけるBIM の課題と解決手法に関する研究」をまとめ、今年3月に首都大学東京から
ナ、ナ、ナ、ナント、
工学博士号を授与
されたのです。
三木さんは大阪大学大学院を卒業後、1980年に須賀工業に入社し、1994年から同社東京事業部CADセンターでAutoCADをカスタマイズして設備用のCADを開発していました。
当時から設備の3次元モデルに属性情報を入れて、工場製作用の図面を作るなど、「BIM」と同じようなシステムを開発していたのです。
長年のCADやBIMの経験で、三木さんが感じていたのは、「もっと効率的にBIMモデルを作るためにはどうしたらよいか」ということでした。
そこで2009年4月に首都大学東京大学院 都市環境科学研究科の博士課程に入学し、効率的にBIMモデルを作成するための研究に取り組みました。
そこで三木さんが行き着いた方法とは、空気吹き出し口や空気取り入れ口、排煙口などのBIMパーツの種類を指定し、各部の寸法を入力するとIFC形式でBIMパーツが作成できるシステムでした。
つまり、様々な設備をパラメトリックモデル化しておき、寸法を変えるだけでBIMパーツが作れるようにしたのです。
たしかに、これだとBIMモデルがサクサクと効率的に生産できそうですね。
三木さんにこのシステムはどんな言語を使ってプログラミングしたのかを聞いてみたところ、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ExcelのVBAマクロ
をIFCファイルを書き出しているということです。
IFCファイルはすべてテキストデータですので、Excelで作れてしまうわけですね。
さらに三木さんはExcelのVBAを使って、建物内の障害物を避けて配管などを自動経路配置するシステムも開発しました。ここは論文提出の間際まで、開発に苦労されたそうです。
三木さんは59歳。会社や社外でのBIM活動との両立で大変なときもありましたが、奥さんからの励ましもあってついに博士号を手にすることができました。おめでとうございます!