管理人のイエイリです。
情報化施工に使われる3次元マシンコントロール付きのブルドーザーは、3次元CADで設計した盛り土、切り土の形状通りに、ブレードの高さを自動制御して敷きならしを行います。
しかし、切り土の場合には、ブルドーザーの押し土能力を超えてスリップしないように、掘削深さを段階ごとに設定したデータを用意するなど、手間がかかるうえ、ブルドーザーの能力を最大限に発揮させることは難しい状況でした。
そこでコマツはトプコンと共同で、世界初の全自動ブレード制御機能搭載の中型ICTブルドーザー「D61EXi/PXi-23」を6月に北米を皮切りに世界で発売していくことを4月16日に発表しました。
世界初の全自動ブレード制御機能を搭載した中型ICTブルドーザー「D61PXi-23」(写真・資料:コマツ。以下同じ) |
粗掘削時には
ナ、ナ、ナ、ナント、
押し土できる最大土量
に応じて、ブレードを自動的に上げ下げする機能が付いているのです。
そのため、仕上げ面の3次元形状だけ決めておけば、ブルドーザーの方で自動的に判断して最も効率的に掘削してくれます。
粗掘削時は最大土量で掘削し(左)、仕上げ施工時には少しずつ高低を調整する |
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機器の構成 |
これまでの3次元マシンコントロールは、既存のブルドーザーに情報化施工キットを後付けしていました。
ところが、「D61EXi/PXi-23」は、GNSSアンテナやIMU+(慣性センサーユニット)、ストロークセンシングシリンダー、コントロールボックスを
コマツ工場で内製化
しています。
そのため、ブレードの昇降に影響を受けず、走行地面の位置や高さを取得でき、時々刻々と変化する現況地形を正確に把握できます。
コマツは今回のICTブルドーザーに続いて、マシンガイダンス/マシンコントロールに対応したICT油圧ショベルも開発し、今年中に欧州で発売するそうです。
“純正パーツ”をあらかじめビルトインしたICT建機は、スマートで性能的にも期待できそうですね。それだけ情報化施工が普及してきたことを象徴する新製品と言えそうです。