To-Doリストを表示!Solibri Model CheckerのBIM品質管理機能が進化
2013年5月15日

管理人のイエイリです。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトで設計した複数のBIMモデルを読み込み、部材の干渉や法基準との整合性などのチェックを行うモデルチェッカーソフト「Solibri Model Checker v8.0」の日本語版が今年5月、エーアンドエーグラフィソフトジャパンから発売されました。

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「Solibri Model Checker v8.0」日本語版の画面(資料:エーアンドエー)

今回のバージョンでは、「BIMモデルのチェックソフト」というよりも、「BIMによる品質保証、品質管理ツール」としての機能が強化されたのが特徴です。

例えば、品質管理を実現するために行うべき作業手順を、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

To-Doリストで表示

 

する機能が追加されたのです。

これは、モデルチェッカーソフトで様々な処理を実行する前に、どんな作業を行うかをステップ・バイ・ステップで画面に表示してくれるもので、作業もれを防ぐことができ、実行結果の信頼性が高まります。

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品質保証、品質管理の手順をステップ・パイ・ステップで表示する「To-Doリスト」の表示機能(資料:グラフィソフトジャパン)

BIMモデルの品質を評価する機能も強化されました。それはチェック後のサマリー画面に、チェックの結果をカウントし、重要度別に表示する機能です。重要度と内容は、ユーザーが自由に設定できるようになっています。

設計段階で解決すべき課題のうち、重要なものとそうでないものの内訳が「見える化」されるので、設計者本人はもちろん、BIMマネージャーや設計チームのメンバーも設計品質がすぐに分かりますね。

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チェック結果とエラーの個数を重要度別に表示する機能(資料:グラフィソフトジャパン)

設計チームで分業して設計を進める時などには、自分が関係する部分の設計内容だけをチェックしたい場合もあります。そんな時に便利に使えそうなのが今回、強化されたフィルター機能です。

これは設定した部材(コンポーネント)をチェックから除外する機能です。これまでのフィルターには「有効」のチェックボックスしかありませんでしたが、「除外する」と「無視」が追加され、チェック対象の部材を効率的に取捨選択できるようになりました。

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「除外する」と「無視」が追加されたフィルター機能(資料:グラフィソフトジャパン)

Solibri Model Checker v8の新機能 (資料:エーアンドエー)
・Windows8に対応。
3Dビューにてマルチタッチ、タッチスクリーン・タブレットをサポート。

・品質管理プロセス向上のためのタスク表示機能
To-Doリストを表示する機能とTo-Doリストに表示する項目を設定する機能が追加されました。各処理を実行前の必要作業が表示される事で、作業の漏れがなくなり、実行結果の信頼性が高まります。

・チェック結果を集計・出力する機能
チェックの結果をカウントし表示するビューが追加。結果をリストとして出力できます。プロジェクトが進むにつれて、品質の向上の進捗を簡単に計る事ができます。

・フィルター機能の強化
『設定したコンポーネント』を除外する機能が追加され、従来、有効のチェックボックスのみだったフィルタが、『含む』『除外する』『無視』から選択できるようになりました。

・ルールセットの設定強化
ルールセットのパラメータ設定機能が強化。ルールセットの細かい選択が容易になり、モデル分析が非常に効率的になりました。

・分類ビューの機能拡張
分類ビューのデザインが変更され、v7よりも分類が容易になりました。『設定』『分類のルール』『未分類のコンポーネント』『分類済みのコンポーネント』それぞれが独立したダイアログで設定できます。

・検索機能の強化
プレゼンテーションとルールセットに検索機能が追加、プレゼンテーション内を『追跡ID』『コメント』『位置』についてワード検索が可能になりました。また、Ruleset Managerの検索もより詳細に設定できます。

・スライド作成時のプロパティ追加

スライドの追加時、『日付』『作成者』『ステータス』『担当者』の情報を追加できるようになりました。

BIMによってコンピューターによって自動化できる作業は増えましたが、設計内容のチェックはいまだに人間の目で時間をかけて行っているという例が多いのではないでしょうか。

これまでのワークフローでは、意匠、構造、設備の設計者がそれぞれ別々に設計を行い、これらを組み合わせた時に

 

図面の不具合が発生

 

し、調整や修正などの対策をとることが多かったため、設計時間が長くなることがよくありました。

その点、各設計者が設計中のBIMモデルをサーバーやクラウドで共有し、設計中に他の設計と干渉などが起こらないようにしながら作業を進めることにより、「干渉レス」な設計を短時間で進めることができるようになりそうですね。

そのためには、設計情報の共有化や関係する設計者が早期からワークフローに参加するしくみなどを作る必要もありそうです。

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Solibri Model Checker導入前後の設計ワークフロー資料:エーアンドエー)

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