太陽光発電所や商業施設、イベントなどを建設・計画するときには、地元の理解を得ることが重要です。こうした場合に、「自主簡易環境アセスメント」(以下、自主簡易アセス)という方法があります。
事業者自らがその計画が地域の景観や交通量、光の反射などにどのような影響を与えるのか検討し、公開することで地元の理解を得ようというものです。
自主簡易アセスを手がけてきたNPO地域づくり工房(代表:傘木宏夫氏)は、そのノウハウを広めようと「自主簡易アセス支援サイト」を立ち上げました。
アセスの結果を説明するツールとして使っているのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
バーチャルリアリティー
なのです。
例えば、山から土砂を採取するプロジェクトの場合、近隣からの景観がどのように変わるか、道路からの見え方はどうか、採取期間中の交通状況はどうなるかといった問題を、バーチャルリアリティー(VR)で映画のように説明しています。
また、太陽光発電所の建設では景観のほか、太陽光パネルからの反射が周囲に与える影響が問題になりがちですが、これもVRでわかりやすく説明することができます。
これらのVRは数分間の短いものですが、地元の人の理解を得るために必要な検討項目が、コンパクトに盛り込まれています。
同サイトでは環境影響度の簡易チェックを行う事業分野として(1)大きな建物、(2)発電所、(3)土地の改変、(4)工場や研究機関、(5)道路と橋梁、(6)イベント、の6つを挙げており、それぞれのチェックシートをWEB上に公開しています。
チェックシートに入力すると、それぞれの事業を計画するうえで
検討すべき項目が一覧表
として出力されるので、検討にもれがありません。
図面などの説明では、こうした施設やイベントが地元にどのような影響を及ぼすのかを地元の人になかなか理解してもらえず、反対運動が起こってしまうリスクもあります。
その点、事業者自らが地域のことを自主簡易アセスで様々な面から考えている姿勢をアピールし、VRでわかりやすく説明できると、地元の人を味方につける効果もありそうですね。