管理人のイエイリです。
昨年(2010年)、インターネット上のBIM仮想コンペ「Build Live Tokyo 2010」での最優秀賞獲得や東京スカイツリー建設など、大林組におけるBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用は注目の的です。
昨日(8/25)、同社は次世代のBIMを実現するための取り組みについて発表しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIM用のクラウドシステム
を2013年に構築するというのです。
その名も「スマートBIMクラウド」というもので、日本電気(NEC)、GRAPHISOFT(以下、グラフィソフト。本社:ハンガリー)とアライアンスを締結し、建物情報の統合化と情報共有を図るためのクラウドコンピューティング環境を共同で構築します。
建設プロジェクトにかかわる発注者や設計事務所、ゼネコン、サブコンなどからなるチームで、BIMの建物情報を共有し早期に合意形成を図るため、「プロジェクト関係者間相互のセキュアで円滑な情報共有」を実現しようというものです。
グラフィソフトは意匠設計用のBIMソフト「ArchiCAD」のベンダーとしての技術、NECは大規模クラウド構築の実績とノウハウ、そして大林組は設計・施工における豊富なBIM導入実績を生かします。
「スマートBIMクラウド」構築のアライアンスイメージ(資料:大林組) |
スマートクラウドが実現すると、設計や施工プロセスの途中や建物竣工時の状況を、ウェブでいつでも、どこからでも確認することが可能になります。そのため、施主の意向を素早く反映でき、関係者間の合意形成も容易になるという「フロントローディング」の効果が期待できます。
また、データベースには建物の形のほか、仕様や調達、シミュレーション結果などのすべての情報が集約できるのでスピーディーで正確な情報連携を行えます。そのため、工期短縮や品質向上など、生産性向上にもつながります。
2011年はニーズのまとめや基本環境の整備、そして2012年にはクラウド環境の整備を行い、2013年上期に完成する予定です。
大林組はBIMの活用環境を積極的に整備して、施主の満足度を高め、
BIM推進のトップランナー
を目指す方針です。
いよいよ、BIMが本格的な経営戦略に組み込まれる時代に入ってきたようですね。