3D工作機械を完備!渋谷に本格的なデジタル工房が誕生
2012年6月28日

 

管理人のイエイリです。

東京・渋谷はかつて“ビットバレー”として、シリコンバレー型のネット企業が集まり、盛り上がりを見せていました。その後、その地位を六本木ヒルズに明け渡していました。

ところが今年3月にレーザーカッターを備えた「FabCafe」がオープンし、デジタルデータによってものづくりを行うデジタルクリエーターが集まっています。

さらに、それに先立つ今年1月、渋谷に「co-lab渋谷アトリエ」というデジタルクリエーターの一大オフィスができ ていたのです。

そこには、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

3Dプリンタやレーザーカッタ

 

など、様々な工作機械を備えた工房スペースが併設されているのです。

昨日(6/27)にそのお披露目パーティーが開催されましたので、早速、見学してきました。

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今年1月に東京・渋谷に誕生した「co-lab渋谷アトリエ」。左側の建物がオフィス棟、右の建物がデジタル工房(写真:家入龍太。以下同じ)

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お披露目パーティーには多数のデジタルクリエーターが集まった

工房に入ってみてビックリ。まず、目に付いたのは2台のレーザー加工機です。1台は日本製で数百万円、もう1台は中国製で30万円とのこと。どちらも「Illustrator」などのデザインソフトでデザインすると、その通りに薄い木材やアクリル板、紙などを高精度で切り抜いたり、彫刻したりすることができます。

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数百万円の日本製レーザーカッター(左)と30万円の中国製レーザーカッター(右)

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パソコンで作成したデザイン(左)通りに紙を切り抜くレーザーカッター(右)

このほか、3Dソフトで設計した立体どおりにプラスチックで模型を作る3Dプリンターや、材料を立体に削り出す3Dプロッターもあります。ポスターやサインの制作には、B0ノビサイズ対応の大判カラープリンターや、シートをデザインソフト通りに切り抜くカッティングプロッターなども用意されています。

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3Dプリンター(左)と3Dプロッター(右)

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大判カラープリンター(左)とカッティングプロッター(右)
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ミシン(左)や小型丸ノコ盤(右)も用意されている

co-lab渋谷アトリエは、建築家やデザイナー、アーティストなど異業種のクリエーターがコラボレーションしながら制作活動を行う場です。既存の企業組織と個人の中間に位置する「集合型」の働き方ができるプラットフォームとして、工房スペースのほかパーティションで区切られた個人のオフィススペースや会議室、事務機器やインターネット環境などを備えています。

事業主は東急建設で、運営は春蒔プロジェクトが担当しています。建物の規模は工房を含めると300坪にも上り、35~40歳を中心としたブース入居メンバーが60人程度いるそうです。

入居メンバーによって設立した合同会社フリートランスレーションでは、外部からのものづくり依頼を請け負ったり、デザイナーと生産工場をつなぐコンサルティングを行ったりする体制を整えています。

外部の人でも、工房の工作機械を使いたい場合には、料金を払えば使うことができます。例えばレーザーカッターの場合だと30分2500円で、リーズナブルな価格設定になっています。

ところで、冒頭でご紹介した数百万円の日本製レーザーカッターですが、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

女性建築家の私物

 

だったのです。

米国のハーバード大学やマサチューセッツ工科大学の大学院で、アルゴリズミックデザインなどを学んだ建築家、重村珠穂さんはデザイン事務所「アルゴリズム・デザイン・ラボ 」を立ち上げ、自分自身が購入したレーザーカッターを、工房に提供しています。

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レーザーカッターのオーナー、重村珠穂さん

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オフィススペースで当日のデモ用データを作成中

渋谷の街は、デジタルクリエーターが集結する聖地になりそうですね。今後、co-lab渋谷アトリエを拠点に、デジタル時代の建築作品が続々と生まれてくるのが、楽しみです。

【訂正】
初出時に「運営は時蒔プロジェクト」としておりましたが、正しくは「春蒔プロジェクト」の誤りでした。訂正します。

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