3Dプリンターから複合現実まで! キヤノンが3D事業を強化
2014年4月14日

管理人のイエイリです。

ここ数年、急速に普及が進んでいる3Dプリンターですが、矢野経済研究所の「3Dプリンタ市場に関する調査結果 2013」によると、その2012年度の国内市場規模は数量が1692台、金額が65億円だったそうです。2013年度は数量が対前年比591%の1万台、金額が対前年比231%の150億円に拡大すると見込まれています。

こうした流れを受けて、キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)では、これまでキヤノンITソリューションズが展開してきたMR(複合現実感)や3次元CADシステムに加えて、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

米国3Dシステムズ社

 

の3Dプリンターのラインアップを強化し、4月10日から3Dソリューション事業として展開することになりました。

今回、ラインアップに加わった3Dプリンターは、複数の種類の樹脂を使って造形する「MJPマルチジェット・プリント方式」や、石膏などの粉末で色付きの模型を造形する「CJPカラージェット・プリント方式」、そしてフィルムを積層しながら造形する「フィルム転写イメージ方式」で、それぞれ複数の機種が用意されています。

同社の3Dプリンターホームページを見ると、大型で高価な機種から、コンシューマー向けの低価格の機種までがそろっています。

紫外線硬化樹脂で造形する3Dプリンター「Projet 3500 HDMax」(資料、写真:キヤノンMJ、キヤノンITソリューションズ。以下同じ)

紫外線硬化樹脂で造形する3Dプリンター「Projet 3500 HDMax」(資料、写真:キヤノンMJ、キヤノンITソリューションズ。以下同じ)

薄いプラスチック板を切断・積層しながら造形する「Projet 100」

薄いプラスチック板を切断・積層しながら造形する「Projet 100」

 

クリアパーツを組み合わせた造形の例。「Projet 5500X」による

クリアパーツを組み合わせた造形の例。「Projet 5500X」による

複数の材料を使ったカメラの模型。「Projet 5500X」による

複数の材料を使ったカメラの模型。「Projet 5500X」による

ボルトとナットによる構造のモックアップ。「Projet 100」による

ボルトとナットによる構造のモックアップ。「Projet 100」による

花びら状のオブジェの模型。「Projet 100」による

花びら状のオブジェの模型。「Projet 100」による

一方、設計通りのスケールで建物やクルマなどの完成イメージを体験できるのがMRシステムです。MRとは仮想現実感(VR)と拡張現実感(AR)の両方を含んだもので、キヤノンITソリューションでは、これまで製造業向けに「MREAL」というシステムを販売してきました。

ヘッドマウント・ディスプレーでMRを体験できるMREAL

ヘッドマウント・ディスプレーでMRを体験できるMREAL

クルマのデザインをMRで検討している例

クルマのデザインをMRで検討している例

生産設備の3Dモデルを実際の工場の風景と重ね合わせて配置などをMRで検討した例

生産設備の3Dモデルを実際の工場の風景と重ね合わせて配置などをMRで検討した例

キヤノンMJグループは、今年から始めた3カ年の中期経営計画で、米国流のスピーディーな事業創造や新規商材調達、そして全事業領域で自由な発想でキヤノンの枠を広げ、日本の枠も飛び越えていく

 

Beyond JAPAN

 

の推進戦略を掲げています。

3Dソリューションなどは年平均110%という成長率を目指しています。もちろん、建築や土木も両社のターゲットに入っています。

リアルな模型と、バーチャルなMRを合体させた3D事業から、建設業の生産性を上げる新たなソリューションが提供されることを期待したいですね。

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