管理人のイエイリです。
6月5日~6日、川崎市産業振興会館で3Dレーザースキャナー技術の展示会イベント「SPAR2014J 第10回3次元計測フォーラム」(主催:スパーポイントリサーチ)が開催されました。
例年なら展示会場の片隅にはセミナールームが設けられていましたが、今回は出展者が増えたため、すべてを展示スペースにするほどの盛況ぶりでした。
今回、3Dレーザースキャナーや点群処理ソフト、写真測量システムなどに負けず注目を集めたのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
UAV(無人飛行機)
だったのです。
最近、注目を集めている複数の回転翼(ローター)が付いたヘリコプタータイプのものから、ローターが付いた飛行機タイプのものまで、大小、様々な機種が集結しました。会場の一角には「UAVコーナー」が設けられていたくらいです。
まず、目に飛び込んできたのは、6つのローターを囲むように巨大な保護リングを付けた「MS-06LA」という機種です。千葉大学のブースに展示されていたもので、最大径はナント、1020m。約4kgの計測機器を搭載して約10分間飛行できます。
その隣のイメージ ワンのブースでは、4つのローターが付いたマイクロドローンズ社の「md4-200」という機種がありました。小型ですが最大300gの計測機器を搭載し、20分間飛行できます。
さらにその隣のルーチェサーチのブースには、ナント、ローターが8つも付いた「SPIDER」と、3組の反転ローターを組み合わせた機種がありました。ローターの数はいろいろなタイプがあるそうで、6ロータータイプだと、4kgの計測を搭載して最大25分間飛行できます。
UAVの部品はかなり規格化が進んでおり、まるでパソコンを自作する感覚で自由にローターの数や制御システムを組み合わせて機体が作れるのだそうです。
大手測量機器メーカーも負けてはいません。ニコン・トリンブルのブースでは、無人機航空写真測量システム「Trimble UX5 Aerial Imaging Rover」(PDFカタログ)が展示されていました。飛行機のように固定翼が付いており、時速80キロで約50分間飛行できるそうです。
また、トプコンのブースでも、ミニサーベイヤーコンソーシアムによって開発された6ロータータイプの機種が展示されていました。
UAVでの計測には高解像度のデジタルカメラをUAVに搭載し、地形や構造物を空撮し、その写真データを写真測量システムで処理して3Dモデルを作るのが一般的です。
3Dレーザースキャナーは軽いものでも質量が5kgくらいはあるので、搭載重量(ペイロード)が小さいUAVには搭載が難しかったからです。
しかし、その常識を打ち破るような新製品がリーグルジャパンのブースに展示されていました。それは、
UAV用レーザースキャナー
「RIEGL VUX-1」です。
質量3.85kgと軽く、毎秒最大50万点を25mmの精度でスキャンすることができます。最大飛行高度は350mで、920m程度の距離を計測できます。
かなり大型のUAVが必要ですが、ローターが6~8枚付いた機種なら低い高度から高精度の点群データを取れそうですね。BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の活用にも、大きな影響を及ぼしていくでしょう。
UAVによる計測技術はまだまだ進化しそうです。