土木の3Dモデルから施工情報を取り出す!大成建設が「T-CIM」を導入
2015年7月24日

管理人のイエイリです。

トンネルや橋などの土木工事では、工程管理や品質管理、安全管理など、様々なデータや情報の管理が必要になります。

これまでは、表計算ソフトやワープロ、図面、工事写真などの資料を、サーバーのフォルダーに分類して整理する例が多かったと思いますが、担当者以外はどこにどんな情報があるのかがわかりにくいという課題もありました。

そこで大成建設は、様々な施工情報と、土木構造物の3Dモデルを統合した独自のCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)システム、「T-CIM」を構築しました。

その基本的なコンセプトとは、土木構造物の3Dモデルを

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

施工情報の取り出し口

 

として活用する点にあるのです。

例えば、トンネルの3Dモデルに切羽観察や出来形管理、計測データなどがひも付けられていると、誰もが簡単に必要な情報を見つけて、スピーディーに活用できるようになりそうですね。

工事現場はもちろん、それ以外の場所からもタブレット端末などを用いて、施工情報の入力や検索、閲覧ができるので、異なる現場の技術者同士も工事の技術情報を共有しながら問題解決が行えそうです。

3Dモデルを「施工情報の取り出し口」として使う「T-CIM」の運用イメージ(以下の資料:大成建設)●

3Dモデルを「施工情報の取り出し口」として使う「T-CIM」の運用イメージ(以下の資料:大成建設)

T-CIMは、ダムやトンネルなどの構造物に特化した「専門工種」と、コンクリート工など幅広い工事で使う「共通工種」を相互に関連させ、体系化したCIMシステムになっています。

共通工種では、コンクリートの品質管理試験や生コン打設時間などの個別データを現場でデジタル化し、リアルタイムに施工記録を取得して帳票を作成します。

専門工種と共通工種からなる「T-CIM」の体系図

専門工種と共通工種からなる「T-CIM」の体系図

2015年度はダム、土工、トンネル、地下構造物、橋梁などの専門工種と、コンクリート工を中心とした共通工種を、国内32カ所の土木現場で導入していく予定です。

さらに2016年度は、コンクリート工を中心とした共通工種を全国の土木現場の半数、

 

2017年度以降は全現場

 

への展開を目指しています。

CIMというと、どうしても3Dの「CIMモデルを作る」という発想になりがちですが、T-CIMでは「CIMモデルを現場で使う」という考え方が中心になっています。

現場で働く人の多くは、3Dモデルを情報の取り出し口として活用することで、CIMの便利さを享受できることになります。現場でのCIM活用が一気に広がりそうですね。

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