管理人のイエイリです。
せっかく設計時に構造部材のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルを作成しても、鉄骨ファブリケーターには紙図面で情報を受け渡す、ということが多いのではないでしょうか。
そこで大成建設とカルテック(本社:大阪市中央区)は、BIMソフト「Revit」と鉄骨積算システム「すけるTON」をデータ連携し、3Dモデルの再入力を行わずに継ぎ手部分の添接板やボルトなどを入力できるRevit-すけるTON連携「鉄骨ディテール生成システム」を開発しました。
しかも継ぎ手部分の詳細構造は一つひとつ、ボルトや添接板などを入力するのではなく、
ナ、ナ、ナ、ナント、
パラメトリックモデリング
で自動入力できるのです。
このシステムは、Revit用のアドオンソフトとして開発されました。
まずRevit上で構造BIMモデルを作成します。そのBIMモデルを元に、すけるTONでボルトの径や数、添接板の厚さなど表形式で入力されたデータを元に詳細構造BIMモデルを作成します。
作成した詳細構造BIMモデルは、RevitのBIMモデルに反映することができます。その流れをご紹介しましょう。
そのデータを使ってRevit上で数量計算を行うこともできます。建設会社も、鉄骨ファブリケーターと同じ精度で数量や見積もりを確認することができるわけですね。
このシステムは、Revit2016用とRevit2017用が開発されました。Revit2016用は、3D部品「ファミリ」の機能を使っているのに対し、Revit2017用は
DirectShapeオブジェクト
という新機能を使っているので、データ連携に要する時間が約半分とスピーディーになり、添接板の切り欠きなどをより精密に表現することができます。
ファミリ機能を使ったRevit2016用(左)と、DirectShapeオブジェクトを使ったRevit2017用(右)の各モデル |
大成建設ではこのシステムを6月中旬から社内で活用する予定です。また、カルテックを通じて外販することも検討しています。
構造BIMは意匠や設備に比べて、データ連携が遅れている感がありましたが、ここにきて大きく動き出したようですね。