管理人のイエイリです。
最近、ドローン(無人機)による空撮による3D計測が話題を集めていますが、3Dレーザースキャナーも高精度化や“大衆化”のニーズが高まり、再び脚光を浴びているようです。
昨日(6月14日)、川崎市で開幕した第13回3次元計測フォーラム「SPAR 2017J」は、例年同様、多くの参加者でにぎわっていました。
講演はごく一部しか聴講することができませんでしたが、主催者のSPAR代表、河村幸二氏や、ライカジオシステムズの村山利則氏の話によると、3Dレーザースキャナーが注目を集めている理由は
高精度化と大衆化
にあるようです。
例えば、i-Construction施策を推進する国土交通省が2017年度に始めた「ICT舗装工」では、10cm角以内に1点以上の点群データを取り、アスファルト舗装の基層、表層面での高さ方向精度は±4mm以内が求められます。
この精度は、ドローンによる空撮では難しいほか、3Dレーザースキャナーでも実現できる機種は限られてきます。また、40mくらい離れた場所を上記の密度で計測するためには、機器の設定も「オート」では難しくなってきます。
このほか、複数の地点で計測した点群を合体させる作業も、これまでのようにボール状のマーカーを目印にするのは誤差が大きすぎるため、各マーカーの位置をトータルステーションなどで精密に計測し、点群データをこれに合わせるといった新しい方法も求められてくるようです。
展示会場では、歩き回りながら点群計測を行えるゼクセル(GEXEL)社のウェアラブルスキャナー「HERON」のデモンストレーションが行われていたのをはじめ、ベンダー各社が新型3Dスキャナーやソフトを展示したほか、大学や研究機関が現場に密着した研究成果を解説していました。
大衆化については、従来よりも低価格で簡単に使える3Dレーザースキャナーが今後、いろいろと登場してきそうです。
例えば、3Dジオコスモス(3D GEOKOSMOS, LLC)社のブースでは、英国NCテック(nctech)社が2018年4月発売予定の室内用「バーチャル・リアリティー・カメラ(Virtual Reality Camera)」のチラシ配布と説明を行っていました。
そのお値段は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
わずか500ドル
と、デジタルカメラ並みの価格なのです。
製品名から「カメラ」と思ってしまいがちですが、クラス1のレーザーを搭載したれっきとした3Dレーザースキャナーです。
測定範囲は10~15mですが、住宅などのリフォームなどに気軽に使えそうですね。
このほか、測定距離100mでお値段が1万3000ドルのnctech社製3Dレーザースキャナー「LASirisVR」もプレゼンテーションしていました。2017年末ごろ、日本でも発売予定とのことです。
高精度化と大衆化が進む3Dレーザースキャナーはドローンに搭載して計測することも行われており、今後、ますますi-Constructionや既存建物やビルの3Dモデル作成などに活用