管理人のイエイリです。
大塚家具は2017年3月に経営ビジョンを発表し、「暮らしのソリューション提案企業」として家具を季節ごとに更新するサブスクリプション化や、スマートフォンアプリ「IDC OTSUKA AR」によるシミュレーションなど、新しいビジネスモデルや新技術を積極的に導入しています。
同社は8月10日、またも新しいシステムを公開しました。東京に実在する大塚家具 新宿ショールームの7フロア分を
ナ、ナ、ナ、ナント、
バーチャルショールーム化
してしまったのです。
バーチャルショールームとは、実際のショールームの内部を360度撮影した高解像度のパノラマ画像データをもとに作成したコンテンツを、ウェブサイトを通じてどこでも、いつでも見られるようにしたものです。
1階のエントランスを入ると、フロア上をウオークスルーのように歩き回ったり、上下左右を見回したりできます。
さらに気になる部分をピンチ操作によって拡大することも可能です。
このように日本全国、どこからでも新宿のショールームを訪ねたような感覚で、各フロアを歩き回り、気に入った家具があれば詳細な情報を見て、注文までできるようになっています。私もiPadを使って試してみました。
このバーチャルショールームは、構造計画研究所が販売するNavVisというシステムを使って制作されました。(当ブログの関連記事はこちら)
建物内部を3Dモデル化する作業は、6台の高画素デジタルカメラと3台の高精度レーザースキャナーを搭載した「M3 Trolley」という台車のような機器で行いました。
歩行速度に近いスピードで屋内を動き回ると、1600万画素の高精度画像とセンチメートル単位の精度を持つ点群で、屋内空間を3Dデータ化します。
3Dレーザースキャナーを使うと、現地計測と3Dモデル化にかなりの時間が必要ですが、今回のバーチャルショールーム制作の場合は、7フロア、1万1000m3の店舗空間を、
わずか6時間で撮影
し、デジタルマップ化を約1日で終えたそうです。
そして費用もかなりリーズナブルだったそうです。
これだけの短時間、短期間で実際の建物の内部をデータ化できると、定期的に更新していくこともできそうですね。店舗や工場内部をIoT(モノのインターネット)化する場合にも、大いに活用できそうです。