管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)で、様々なプロジェクト関係者が同時並行で設計や施工図作成を進めているとき、問題になるのはいかに最新版のBIMモデルを共有するかです。
日々の作業で発生するBIMモデルの変更部分は、建物の一部だけに偏っています。そのデータ量も全体のBIMモデルに比べてごくわずかです。
そのため、変更するたびにBIMモデル全体をサーバーにアップロードしたり、ダウンロードしたりしながらの共有はムダが多いと言えます。
そこで、ベントレー・システムズ(Bentley Systems)は、最新版のBIMモデルを効率的かつリアルタイムに共有できるクラウドサービス「iModelHub」を始めました。
その仕組みは、プロジェクト関係者がBIMで日々の作業を行うなか、発生した小さな変更部分を共有するもので、
ナ、ナ、ナ、ナント、
“BIM界のWindows Update”
のような仕組みなのです。
各ユーザーはBIMソフト「MicroStaion」や他社のBIM関連ソフトで設計したBIMモデルを、ベントレーの「ProjectWise」というデータ管理システムで管理すると、データの変更部分だけが「iModelHub」というクラウドサーバーに自動送信されます。
そして、各ユーザーは「iModelHub」から、自分が使っているソフトや業務に関係のある変更データを自動的に受け取ることで、手元のデータはリアルタイムに最新版に更新されます。
Windowsに例えると、各自のパソコンの状態に応じて小さなデータをダウンロードしながら、最新状態のOSをみんなが使えるという点が、「Windows Update」と似ているのではないでしょうか。
別の言い方をすれば、データの変更部分だけをため込む“データの湖”のようなものとも言えますね。
ベントレーは、各変更データが、プロジェクトのコストや安全性などについて、どのように影響を与えるのかを
定量的に解析する機能
も開発しました。
iModelHubや関連するシステムは、シンガポールで開催中の「イヤー・オブ・インフラストラクチャー2017(YII2017)」の中で発表されました。
ベントレー・システムズは最近、「CONNECT(つながる)」というキーワードを付けた製品ラインアップを続々と発表していますが、“CONNECT”にはこれからのBIMの進化につながる深い意味が秘められていそうです。