鳴き声をAIで認識!録音データから絶滅危惧種の鳥を発見
2017年12月25日

管理人のイエイリです。

自然環境調査では、対象地域にどんな種類の鳥が生息しているのかを調べることが重要です。

鳥の鳴き声は、鳥種を判断するための大きな手かがりとなりますが、絶滅危惧(きぐ)種などめったに遭遇しない鳥の存在を聞き分けるためには、相当な知識と経験が必要になります。

また、現場や録音データで長時間、鳥の鳴き声に耳を傾けて調査するのは人間にとっても大変ですね。

そこで、富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社(本社:福岡市早良区)は、この調査を効率的に行えるソフトウエア「QSAS-Bird」を開発、2017年12月から販売を開始することになりました。

長時間、現地で録音したデータから、特定の鳥の鳴き声を

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

AIで自動認識

 

し、その存在を確認することができるのです。

「QSAS-Bird」による野鳥調査のイメージ(以下の資料:富士通九州ネットワークテクノロジーズ)

「QSAS-Bird」による野鳥調査のイメージ(以下の資料:富士通九州ネットワークテクノロジーズ)

鳴き声の判定には、AI(人工知能)のディープラーニングを活用しています。

鳥の鳴き声の音声データを「声紋画像」によって見える化し、鳥種とともAIに学習させます。

するとディープラーニングによって特定の鳴き声を抽出する「ニューラルネットワーク」ができあがり、録音データの中に特定の鳥種の鳴き声が含まれているかどうかを判定できるというわけです。

ディープラーニングによる鳴き声判定の仕組み

ディープラーニングによる鳴き声判定の仕組み

声紋とともに音声も再生できので、微弱な鳴き声でも人間の目と耳で確認することが可能です。

鳴き声認識の対象は現在、絶滅危惧種に指定されているシマフクロウだけですが、今後、対象種を順次、拡大していく予定です。

また、ソフトの個別カスタマイズや音声解析サービスも提供します。

鳴き声の認識結果を確認する画面

鳴き声の認識結果を確認する画面

今後、自動認識できる鳥の種類が増えると、

 

鳥の生息状況をIoT化

 

し、保護すべき地域を見える化したり、営巣時期に合わせて工事の騒音・振動を規制したりと、自然保護をきめ細かく行えるようになりそうですね。

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