管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を本格的に活用する企業に共通する課題は、人材の確保です。
東急建設は施工段階でのBIM活用を推進するため、2017年に専門組織を立ち上げましたが、BIMの技術者不足に悩まされてきました。
そこで、同社は
ナ、ナ、ナ、ナント、
シンガポール企業
で設備設計や構造設計を担うインドシン・エンジニアリング(Indochine Engineering Limited、以下IES)を買収することで、2020年7月7日に合意しました。(東急建設のプレスリリースはこちら)

リモートシステムで契約を行う東急建設 代表取締役社長の寺田光宏氏と、インドシン・エンジニアリングの創業者、カール・ステファン・ゲイ氏(画面内)(写真:東急建設)
IES社はベトナムとオーストラリアに子会社を持っています。ベトナム・ホーチミンにある「インドシン・エンジニアリング・ベトナム(Indochine Engineering Vietnam JSC.)」には約80人のエンジニアがおり、BIMによる高度な設備設計や構造設計サービスを行っています。

インドシン・エンジニアリング・ベトナムのオフィス
この買収で、東急建設は優秀なBIM技術者を多数、確保することができ、IES社は東急建設が日本や東南アジアで展開しているプロジェクトでの受注拡大が見込まれます。両社にとって、「Win-Win」な買収というわけですね。
その後、7月29日には
日本工営がSDGs達成
に貢献することを目指して、シンガポールの都市計画コンサルタント会社、スルバナジュロン・コンサルタンツ(Surbana Jurong Consultants Pte. Ltd.,、以下、スルバナジュロン)と提携したというニュースが飛び込んできました。(日本工営のプレスリリースはこちら)

2020年7月29日、オンラインで行った調印式の様子。日本工営 代表取締役社長の有元龍一氏とスルバナジュロングループCEOのWong Heang Fine氏(画面内)(写真:日本工営)
気候変動の影響で、2015年の国連サミットで採択された持続可能な開発目標「SDGs」にも定められているように、増大する自然災害の脅威への対策は、世界的な課題となっています。そして継続的な開発を行うには、都市のスマートシティー化が欠かせません。
これまで両社は、アジア地域のスマート化による都市の改善や気候変動対応、都市の強靭化の分野で協力してきました。そこで、今回、両社の相互協力について了解覚書(MOU)を締結したものです。
スルバナジュロンは、BIMやVR(バーチャルリアリティー)についても先進的に取り組んでいます。

スルバナジュロンの社内に設けられた「CAVE」と呼ばれるVR施設。実寸大のVR映像を投影して、合意形成を行う(写真:家入龍太)
BIM先進国で鍛えられたシンガポール企業との連携は、日本企業のBIM活用レベルを一歩前進させてくれるかもしれませんね。期待が高まります。