建築設備をプラグアンドプレイ化! 清水建設が建物OS「DX-Core」を開発
2020年10月13日

管理人のイエイリです。

建築設備というと、以前は空調や照明、給排水設備くらいでした。

しかし、最近は監視カメラや入退室ゲート、さらにはロボットなど多くのものが登場し、相互に連携させるニーズも高まっています。

例えば、セキュリティーシステム付きの自動ドアをロボットが通れるようにするためには、ロボットとドアのセキュリティーシステムが連動させる必要があります。

こうした連動は今後、ますます増えそうですが、個別に連動させる機器やプログラムを作っていると、きりがありません。

そこで清水建設は、ビルの設備を連携し、機能を簡単にアップデートできる建物オペレーティングシステム(OS)「DX-Core」を開発しました。

ビルがパソコン本体のようになり、様々な建築設備やIoT(モノのインターネット)デバイスなどを

ナ、ナ、ナ、ナント、

ビルの“周辺機器”

として、“プラグアンドプレイ”の感覚で増設し、連動させることができるのです。(清水建設のプレスリリースはこちら

建物OS「DX-Core」のイメージ図(以下の資料:清水建設)

建物がパソコン本体のようになり、様々な設備を周辺機器のように増設できる。各機器のデータはAPIによって様々なシステムと連動できる

DX-Coreの特長は、メーカーの違いを問わず、各社の設備機器をビジュアルなツールで自在に連携できることです。

また、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)によって、DX-Coreに接続された各種アプリのアイコンが一覧表示でき、マウス操作でアイコン同士を連結するだけでアプリ間のデータ連携を行えます。

その結果、自動搬送ロボットと自動ドアを連携させて通過させたり、顔認証用のカメラ映像からその人のフロアへのエレベーターを呼んだり、サーモカメラと入館ゲートや換気設備を連動させて新型コロナ対策を行ったりと、アプリを開発するだけで、高度なサービスをビルに実装することができます。

自動搬送ロボットと自動ドアを連携させた例

顔認証用のカメラ映像とエレベーターを連携させた例

サーモカメラと入館ゲート、換気設備、LINEなどを連携させた例

DX-Coreは年内にも開発が完了し、自社施設として建設中の大規模賃貸オフィスビル「メブクス豊洲」や東北支店新社屋、北陸支店新社屋への実装が決まっています。

メブクス豊洲では、館内施設の情報提供サービスや会議室予約サービス、顔認証ウオークスルー、車両検知サービス、そしてロボット館内配送サービスなど、最先端のサービスが提供される予定です。

気になるお値段ですが、延べ床面積1万m2規模の新築オフィスビルの場合、各種システムやデバイス、アプリを含めて

1億~2億円程度

になる見込みです。

こうしたシステムが実現した背景には、清水建設が長年、培ってきたICT(情報通信技術)活用についての3つのノウハウがありました。

建物OS「DX-Core」を開発した背景にある3つのノウハウ

今後、オフィスの運営や建物の管理も、深刻化する人手不足に対応できるように、ロボットやAI(人工知能)などの増設に備えておく必要があります。「DX-Core」こそ、建物に未来の窓を開く“ビル界のWindows”と言えるでしょう。

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