管理人のイエイリです。
JR東海道本線の戸塚~大船間で先日、大林組JVが横浜環状南線の橋桁を架設しました。
営業中の9つの線路をすべて閉鎖し、約100分という短時間で高速道路の橋桁を送り出して架ける作業で、手戻りは許されません。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の活用に力を入れている大林組では、当然、架設手順の検討も4Dシミュレーションで行いました。
さらに進んでいるのは、この4Dシミュレーションを室内で見るだけでなく、
ナ、ナ、ナ、ナント、
MRで現場に重ねて
見て、架設作業当日のスケール感までイメージトレーニングしたのです。(大林組のプレスリリースはこちら)
MR:複合現実。現実の風景に3Dモデルなどを重ねて見る技術
仮設手順の4Dシミュレーションは、パソコンの画面で見てもわかりやすいですが、MRだと実際の現場にいながら架設作業を見られるのがメリットです。
そのため、施工中に干渉しそうなものや危険な作業、危険な場所を、あらかじめ現場を見渡しながら確認することができ、工程管理に有効なことが実証されました。
このシステムの試行は、大林組がTIS(本社:東京都新宿区)、DashMesh(本社:東京都中央区)と行ったもので、4DシミュレーションはDashMeshの「DashMesh Director」というクラウドシステムを使って作成しました。
このMRシステムは、JR横須賀線武蔵小杉駅の通路内に、
ホーム補強用の鉄骨
を取り付ける工事にも活用し、作業のスケール感や利用客への影響などを、作業員や職員の間で共有し、安全な施工計画を立てるのに使われました。
こうした鉄骨をMRで見ると、鉄骨が通行人の頭に当たりそうな場合にはクッション材を事前に準備しておくなど、きめ細かい工事の予習ができます。“段取り八分”は今、MRで検討する時代になりました。