応用地質が地面陥没を事前に検知! S波速度の分布を4Dで可視化する「GeoTracker4D」を開発
2023年12月20日

管理人のイエイリです。

最近、地下のトンネル工事などの影響で、地上の道路などが陥没する事故がよく報道されています。

地盤の内部に空洞などがあった場合には、突然、地面に穴が空いたりするので、なんとか事前に地盤の異常発生を知る術(すべ)はないかと、お悩みの工事担当者の方も多いでしょう。

そんな方に朗報です。応用地質(本社:東京都千代田区)はトンネル掘削工事などに伴う地面の陥没などを、事前に検知するサービス「GeoTracker4D」を開発しました。

周辺地盤の「S波速度」の分布を、常時微動からリアルタイムに割り出し、

ナ、ナ、ナ、ナント、

4Dで可視化

するサービスなのです。(応用技術のプレスリリースはこちら

トンネル周辺地盤のS波速度の変化を可視化したイメージ(以下の資料、写真:応用地質)

トンネル周辺地盤のS波速度の変化を可視化したイメージ(以下の資料、写真:応用地質)

このサービスは、交通や経済活動によって、自然に発生する微弱な地盤振動をもとに、地盤内部の地質構造を割り出す物理探査手法「3次元常時微動トモグラフィー」を活用したものです。

GNSS(全地球測位システム)機能付きの微動計測器(McSEIS-AT)を地表に多数、配置して、様々な場所で常時微動を計測。それをもとに地盤中をS波(せん断波)が通る速度の3D分布を知ることができます。

このS波速度の分布を、着工前と施工中で比較することで、施工による地盤への影響を4Dで可視化できるというわけです。

GNSS機能付きの微動計測器「McSEIS-AT」

GNSS機能付きの微動計測器「McSEIS-AT」

S波速度分布の3Dモデル。着工前と施工中のモデルの差分を取ることで、4Dによる可視化ができる

S波速度分布の3Dモデル。着工前と施工中のモデルの差分を取ることで、4Dによる可視化ができる

計測された微動データは、クラウドに転送し、自動的に解析が行われます。その結果はリアルタイムに施工者に提供されるので、周辺地盤の小さな変化を早期に発見し、素早く対策を行うことで、

地表陥没など

の重大事故を未然に防ぐことができます。

S波速度は、一般的に固い地盤では速く、軟らかい地盤では遅い傾向がありますので、「S波速度が遅くなった」ということは、その部分の地盤が「何らかの理由で緩み始めている」という兆候が分かるというわけですね。

応用地質はこのサービスを国内だけでなく、海外にも広く展開していく予定です。日本発の技術が、世界に広まってほしいですね。

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