ドローンで都市モデルを更新! A.L.I.が国交省「PLATEAU」で実証実験
2021年3月30日

管理人のイエイリです。

国土交通省がプロジェクト「PLATEAU(プラトー)」によって、日本各地の3D都市モデルを作成し、無料ダウンロードを始めたことは、SNSなどで多くの建設関係者の話題になっています。

これらの3Dモデルを都市の「デジタルツイン(デジタルの双子)」として、活用していくためには日々のデータ更新も欠かせません。

PLATEAUプロジェクトに参加したA.L.I. Technologies(本社:東京都港区)は、3D都市モデルを効率的にアップデートする方法を開発し、実証実験を行いました。

更新に使う道具として着目したのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

物流ドローン

なのです。(A.L.I. Technologiesのプレスリリースはこちら

石川県加賀市の片山津温泉街上空を飛行するドローン(以下の写真、資料:A.L.I. Technologies)

この実証実験は、2021年3月1日~4日、石川県加賀市内の片山津温泉街で行われました。

物流ドローンで3D都市モデルを更新する作業をイメージして、片山津温泉街を上空から撮影した写真から写真測量を行いました。

その結果を利用して3D都市モデルをアップデートできるかどうかを検証したものです。

アップデート前。建物の高さだけがわかる詳細度「LOD1」のモデル

アップデート後。建物の外形やテクスチャーが付いた詳細度「LOD2」のモデル

実験の結果、物流ドローンの空撮写真から得られた測量データからは、3D都市モデルの表現に使われる「CityGML」の精度には至らないモノの、地図データの更新頻度を高めるためには有効であることがわかりました。

もう一つ、行った実験は、同社が開発したドローン管制システム「C.O.S.M.O.S」に、CityGML形式の3D都市モデルを読み込んで、

フライトシミュレーター

として活用することです。

CityGMLには実在する建物の高さ情報が含まれているので、まさに都市の「デジタルツイン(デジタルの双子)」です。

そのデジタルツインを使って飛行ルートをシミュレーションできれば、物流ドローンの飛行ルートを接待する作業で、現場を何度も確認する作業が減り、コストダウンにつながります。

東京駅付近のCityGMLモデルを使った物流ドローンの飛行ルートシミュレーション画像

2020年にMicrosoftが高精細な都市の3Dモデルを使ったフライトシミュレーターを発売しましたが、ローカル空港などはまだ実際の建物と違っている場合が多々あります。

その点、PLATEAUの3D都市モデルを物流ドローンによって更新したデータなら、それを上回るリアルさのフライトシミュレーターも実現できます。

フリーの3D都市モデルプロジェクト「PLATEAU」の活用は、今後、急速に拡大していきそうです。

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