管理人のイエイリです。
国土交通省がプロジェクト「PLATEAU」によって、日本各地の3D都市モデルを作成し、無料ダウンロードを始めたことは、SNSなどで多くの建設関係者の話題になっています。
これらの3Dモデルを都市の「デジタルツイン(デジタルの双子)」として、活用していくためには日々のデータ更新も欠かせません。
PLATEAUプロジェクトに参加したA.L.I. Technologies(本社:東京都港区)は、3D都市モデルを効率的にアップデートする方法を開発し、実証実験を行いました。
更新に使う道具として着目したのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
物流ドローン
なのです。(A.L.I. Technologiesのプレスリリースはこちら)
この実証実験は、2021年3月1日~4日、石川県加賀市内の片山津温泉街で行われました。
物流ドローンで3D都市モデルを更新する作業をイメージして、片山津温泉街を上空から撮影した写真から写真測量を行いました。
その結果を利用して3D都市モデルをアップデートできるかどうかを検証したものです。
実験の結果、物流ドローンの空撮写真から得られた測量データからは、3D都市モデルの表現に使われる「CityGML」の精度には至らないモノの、地図データの更新頻度を高めるためには有効であることがわかりました。
もう一つ、行った実験は、同社が開発したドローン管制システム「C.O.S.M.O.S」に、CityGML形式の3D都市モデルを読み込んで、
フライトシミュレーター
として活用することです。
CityGMLには実在する建物の高さ情報が含まれているので、まさに都市の「デジタルツイン(デジタルの双子)」です。
そのデジタルツインを使って飛行ルートをシミュレーションできれば、物流ドローンの飛行ルートを接待する作業で、現場を何度も確認する作業が減り、コストダウンにつながります。
2020年にMicrosoftが高精細な都市の3Dモデルを使ったフライトシミュレーターを発売しましたが、ローカル空港などはまだ実際の建物と違っている場合が多々あります。
その点、PLATEAUの3D都市モデルを物流ドローンによって更新したデータなら、それを上回るリアルさのフライトシミュレーターも実現できます。
フリーの3D都市モデルプロジェクト「PLATEAU」の活用は、今後、急速に拡大していきそうです。