HoloLens2で遠隔臨場! インフォマティクスが「XRoss野帳」を発売
2021年4月20日

管理人のイエイリです。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)などの3Dモデルを、現場の上に実寸大で立体的に重ねて表示できるMR(複合現実)デバイス「Microsoft HoloLens2」の活用が進みつつあります。

IHIインフラ建設が島根県出雲市内で施工した湖陵多岐道路久村第一高架橋PC上部工事の現場でも、HoloLens2が大活躍しました。

島根県出雲市内の橋梁現場でもHoloLens2が大活躍(写真:家入龍太)

しかし、この現場ではHoloLens2で現場と3Dモデルを重ねて比較するだけでなく、使った新たなチャレンジが行われていました。

HoloLens2を通して見た映像を、発注者である国土交通省の監督官に送り、

ナ、ナ、ナ、ナント、

HoloLens2で遠隔臨場

に挑戦したのです。(インフォマティクスのプレスリリースはこちら

HoloLens2の映像を見ながら遠隔臨場を行う国土交通省の監督官(以下の写真、資料:インフォマティクス)

使用したのは、インフォマティクス(本社:神奈川県川崎市)が開発した「XRoss(クロス)野帳」というシステムです。

HoloLens2と遠隔臨場を行う発注者のパソコンプラウザーをつないで、映像や音声で相互にコミュニケーションが行えます。

発注者からの指示で各部の寸法を測ったり、拡大映像を映したりという通常の遠隔臨場機能はもちろん、BIM/CIMモデルと現場の風景を重ね合わせて、設計通りの形にできているかを、スピーディーに確認できます。

さらに発注者の画面には現場にいるスタッフがいる位置や視線の方向を図面上にリアルタイム表示したり、デジタルメジャーやデジタルノギスとシステム連携し、計測した寸法をシステム上の帳票に直接取り込むといった機能も用意されています。

デジタルメジャー(左)やデジタルノギス(右)で計測した値を直接、システムに取り込める

現場で寸法計測中の技術者(左)。発注者が見ている画面(右)には、計測された数値が自動的に入力される

このほか、発注者がパソコンからBIM/CIMモデルに朱書きした内容を、現場のHoloLens上で見る「PC朱書き機能」も用意されています。

パソコンでBIM/CIMモデルに朱書きする(右下)と、現場のHoloLens2で見られる(左上)

逆に現場にいる技術者は、構造物の変状箇所を

HoloLens2で朱書き

して図面に反映したり、ひび割れ総延長や矩形総面積を自動集計したりすることも可能です。

構造物の変状部分をHoloLens2上で朱書きし、図面や集計を行う機能も搭載されている

気になるお値段ですが、HoloLens2とXRoss野帳や年間保守料、デジタルメジャー、デジタルノギスなどを一式セットにした「HoloLens2+XRoss野帳セットパッケージ」で154万円(税込み)となっています。Trimble
XR10の場合だと181万5000円(同)となります。

遠隔臨場にMR機能やデータの自動取り込み機能がプラスされることで、発注者の立会検査はさらに生産性が高くなりそうですね。

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