管理人のイエイリです。
国土交通省が先日、「PLATEAU」という3D都市モデルデータを無料公開したことで、3Dマップへの関心が高まっていますが、民間も負けじと頑張っています。
ゼンリンは、テクスチャー付きのリアルなビル街を再現した「3D都市モデルデータ」や、簡易な建物からなる「広域3次元モデルデータ」などを提供しています。
同社は、これらの3D地図データをオンラインで提供する「ゼンリン 3D地図オンライン提供サービス」に、2021年4月16日にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)向けに3つの新機能を追加しました。
その一つは「オブジェクト編集機能」です。ダウンロード前の簡単な設定で、
ナ、ナ、ナ、ナント、
既存ビルを削除
したり、建物や道路、樹木などをダウンロードしたりできるようになったのです。(ゼンリンのプレスリリースはこちら)
これまではBIM/CIMソフト上で行っていた編集作業を、3D地図をダウンロードする際の設定で行えるようになったため、業務効率が向上します。
同様にダウンロード時に設定できる機能として、国土地理院の航空写真や自前で用意した航空写真を、地表面に張り付けた状態で3D地図をダウンロードしたり、道路や敷地などのレイヤー種別ごとに色やテクスチャーなどのマテリアルを編集できる機能も追加されました。
「ゼンリン 3D地図オンライン提供サービス」は、ダウンロード時にBIM/CIMソフトや用途に合わせてデータの仕様を設定できる法人向けのオンラインサービスです。
例えば、地図の区画も自由に設定できます。これまでは区画の境界にある部分のデータが欲しいときは、2区画や4区画分のデータを購入する必要がありましたが、このサービスを利用すると1区画だけの購入で済みます。地図データをつなぐ作業も必要ありません。
巨大な地図データをダウンロードしてから加工するのはいろいろと大変ですが、ダウンロード前にその作業を済ませることができると、後の作業が楽になりますね。
また、3D地図を入手できる範囲も広くなりました。建物の階数情報が入った「広域3次元モデルデータ」なら
日本全国をカバー
しているのです。
リアルな「3D都市モデルデータ」も東京、名古屋、大阪といった大都市のほか、静岡、新潟、岡山、熊本など入手できるエリアが増えています。
PLATEAUは無料でダウンロードできるのが魅力ですが、あの巨大なデータを目的に応じて加工するのはなかなか大変な面もあります。
その点、ゼンリンのサービスは有料ですが、ビルなどのクオリティーが高く、スピーディーに使える、さらにカバーエリアも広いというメリットがあります。
PLATEAUや国土地理院といった官庁のサービスから、ゼンリンやGoogle Earthなど民間のサービスまで、3D都市モデルも選択肢が増えてきました。これからは使用目的に合わせて最適なサービスを選ぶ時代になってきたようですね。