関東地整がMRによる遠隔臨場システムを導入! 巨大BIM/CIMにも対応
2021年5月6日

管理人のイエイリです。

国土交通省はインフラ分野でのDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進するため、2021年4月1日に「インフラDX総合推進室」を発足させました。

本省のほか各地方整備局や研究所などにもDX関連の研修・研究施設が設けられました。(国土交通省のプレスリリースはこちら

関東地整に設けられた関東DX・i-Construction人材育成センターでの無人化施工実習(左)や研修室のイメージ(右)(資料:国土交通省)

関東地整には4月21日に「関東 DX・i-Construction 人材育成センター」や「関東 DX ルーム~Open Innovation Space~」が設けられましたが、

ナ、ナ、ナ、ナント、

MRによる遠隔臨場

ソリューションが早速、導入されているのです。(日本マイクロソフトのプレスリリースはこちら

MRデバイス、HoloLens2による遠隔臨場のイメージ(以下の写真:特記以外は日本マイクロソフト)

遠隔臨場とは、発注者による立会検査をオンライン会議のようにリモートで行うもので、昨今のコロナ対策としての「三密防止」や移動のムダ削減による生産性向上に役立つとして、発注者の人気を集めています。

遠隔臨場では、現場での施工状況が設計通りになっているかを確認するため、現場と設計図書などの資料を受発注者間で画面共有しながら進めます。

そこで威力を発揮するのがMR(複合現実)です。

実際の現場の映像に合わせて、設計のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の3Dモデルを、同じスケールで重ねて表示できるので、実物と設計が合っているかどうかをひと目で確認できるからです。

関東地整の施設には、日本マイクロソフトのHoloLens2や、MRで共同作業を行えるクラウドシステム「Dynamics 365 Remote Assist」、おなじみのオンライン会議システム「Microsoft Teams」などが導入されたほか、ヘルメットとHoloLens2を一体化したニコン・トリンブルのXR10も導入されました。

現場にいる作業者がMRデバイスを通して現場を確認するイメージ

MRデバイスを通して見た現場。これから建設される管きょやマンホールなどのBIM/CIMモデルが、現場に重ねて表示される

遠隔地のオフィスにいる発注者が、現場から送られてきた映像を見ながら指示したり、ディスカッションしたりする様子

HoloLens2はとても便利なデバイスですが、小型・軽量に作られているためせいぜい30万ポリゴンほどの3Dモデルしか扱えないという弱点もあります。

その弱点を克服するため、ホロラボ(本社:東京都品川区)が開発した「mixpace Remote Rendering」というクラウドシステムも導入されました。

HoloLens2とマイクロソフトのクラウドシステム「Azure Remote Rendering」をつなぎ、映像処理の部分をクラウドシステムで瞬時に処理し、HoloLens2に送り返してくるものです。

その結果、鉄筋が大量に入った大容量のBIM/CIMモデルもHoloLens2で見られるようになり、

3200万ポリゴン

ものNavisworksのデータも見られるのです。(ホロラボのプレスリリースはこちら

mixpace Remote Renderingで3200万ポリゴンのCIMデータをHoloLens 2で見た様子(資料:ホロラボ)

モデルのポリゴン数を見ると約3200万となっていた(資料:ホロラボ)

「mixpace Remote Rendering」については、2021年3月5日付けの当ブログ記事で紹介したばかりの最新鋭システムですが、それを国交省が既に導入しているスピード感にも驚かされます。

こうした取り組みから、i-Constructionに続き、建設DXに対しても、国交省の本気度が伝わってきますね。

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