管理人のイエイリです。
利根川と中川をつなぐ権現堂調節池(行幸湖)は、治水と利水を行う多目的調節池として建設されました。その延長は5.18kmにもわたります。
日常の安全管理や防災上の管理のため、日々、巡回監視を行っていますが、その内容は夏季に発生するアオコ(植物性プランクトン)の発生などの環境監視から、不法投棄、車上荒らしまで、多岐にわたります。
しかし、広大な面積があるため、管理の効率化や省力化が課題となっていました。
そこでパスコとセコムは、この監視業務を
ナ、ナ、ナ、ナント、
ドローンで自動化
する実証実験を行うことになったのです。(パスコのプレスリリースはこちら)
この実証実験では、ドローンの離陸から着陸まで自動的に行い、調節池上空を自動飛行させて、アオコ発生の状況把握と不法投棄の監視を行います。
ドローンには、セコムが侵入監視や巡回監視サービスのために開発、運用している「セコムドローン」の技術を活用し、調節池の状況をカメラで記録します。
セコムドローンは、飛行ルートを設定して自律飛行できるほか、撮影した画像や映像のコントロールセンターへリアルタイム送信、自動発着・自動充電、そして夜間や降雨時の飛行などの技術もあります。
一方、パスコは自律飛行に必要な高精度3次元データと、航空測量のノウハウを生かした飛行ルートを作成します。ベースとなる3次元データには、高精度レーザー測量による点群データをもとに、飛行の障害になる
高圧線や樹木も再現
します。
両社はこの実証実験の成果をもとに、自律飛行型ドローンの飛行計画の精度向上や、安全で確実や巡回監視と施設点検への活用、災害時の状況把握や情報伝達など、様々な社会インフラの維持管理を自動化・省力化する、新しいビジネスモデルの構築を目指していくとのことです。
不法投棄はだだっ広い敷地の河川や遊水池などで、夜間にこっそり行われることが多かったので、なかなか摘発が難しい面もありました。
しかし、夜間でもどこでもすぐに現場に駆けつけて、証拠映像をリアルタイムに記録・送信してくれる自律飛行ドローンが維持管理に導入されると、不法投棄や建機・資材などの盗難などの犯罪防止に大いに役立ちそうですね。