現場の“ねこ車”が自律走行ロボに! 竹中土木とソミックが共同研究を開始
2021年9月1日

管理人のイエイリです。

工事現場での運搬やちょっとした作業に欠かせないのが“ねこ車”こと、手押し一輪車です。この一輪車を使った作業は、すべて人間に頼っていると言っても、過言ではありません。

例えば、コンクリートの打設作業では、コンクリートミキサー車などから一輪車でコンクリート受け取り、打設場所まで人力で運搬し、型枠の中にスコップでコンクリートを投入する、というような使い方です。

一般的なねこ車の使用イメージ(以下の資料、写真:ソミックマネージメントホールディングス)

ところが、2021年7月初旬に北陸新幹線の高架工事を行った竹中土木の現場では、進化したねこ車の使用シーンが見られました。

コンクリートを積んだ台車が、

ナ、ナ、ナ、ナント、

人間の後からついてくる

のです。(ソミックマネージメントホールディングスのプレスリリースはこちら

これまでのねこ車に代わるホッパー付きの台車。コンクリートを積んで人間の後から付いてくる

この進化したねこ車の正体は、重量物を手で扱う「重筋作業」を自動化するために、ソミックマネージメントホールディングス(事業所:静岡県浜松市。以下SMHD)が開発した自律走行ロボットです。

現場では、ホッパーを搭載した自律走行ロボットに直接、生コンを流し込み、遠隔操作で打設場所まで運搬しました。

そして、生コンをスコップで型枠に移し替えることなく、打設することに成功しました。

これまでのねこ車に付きものだった力仕事はほとんどなくなり、大幅に自動化や省力化が実現したのです。

自律走行ロボットで打設場所まで運んだ生コンは、そのまま型枠に投入した。横に長い型枠の場合は、ロボットを移動させながら打設することもできる

SMHDでは、2020年10月からこのロボットを使ったサービス「SUPPOT(サポット)」のテストマーケティングを行っており、このほど、竹中土木と自律走行ロボットを活用した資材運搬自動化の共同研究を開始しました。

7月の実証では、施工現場で求められる機能や、狭い通路での運搬、重い生コンを積んだ状態での走破性能などについて課題を抽出しました。

使用した自律走行ロボットは、「PF-06」というプラットフォームを利用し、

悪路や20度の傾斜

も走行でき、最大200kgまでの重量物を運べます。

自律走行ロボット用プラットフォーム「PF-06」の構造

●「PF-06」の諸元・性能

名称 自律走行ロボット用プラットフォーム「PF-06」
寸法(全長 × 全幅 × 全高) 1,358×956×1275mm
本体重量(バッテリーを含む総重量)バッテリーを含む総重量) 104kg
駆動モーター(30分定格出力)ター(30分定格出力) DCブラシモーター24V180W×4個
バッテリー(5時間率)ー(5時間率) リチウムイオンバッテリー DC25.9V 51.2Ah
タイヤ(前・後輪)・後輪) (57-203) 12-1/2 x 2-1/4 R
駆動方式 インホイールモータ 四輪駆動
サスペンション方式(FR、RR)ション方式(FR、RR) センターリーフスプリング式コイルスプリングリジッドアクスル
制動方式 電磁ブレーキおよび回生制動
操舵方式 サーボ式4WSステア操舵(遠隔操作時、同相/位相切り替え可能)
制御方式 2.4GHz T-FHSSによる遠隔操作 / GPSによる自律走行制御 / 2D LiDAR+マイコンによる作業者追従制御FHSSによる遠隔操作 / GPSによる自律走行制御 /
最高速度(前進、後進)(前進、後進) 1~6km/h 無段階調整式
実用登坂角度角度 20°
最小回転半径半径 1080mm

このロボットは、遠隔操作や作業者追従のほか、GPSによる自律走行もできるようですので、屋外の現場だと生コン車と打設場所の間を自動的にピストン輸送できる可能性もありますね。

人間をサポートしてくれるロボットとして、様々な現場で愛されそうです。

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