森ビルが虎ノ門ヒルズ用に火災訓練用VRシミュレーターを開発! ドアの発熱も体感
2021年9月6日

管理人のイエイリです。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)による建物の設計から、クルマや飛行機など乗り物の操縦訓練まで、VR(バーチャルリアリティー)は幅広い分野で活用されています。

森ビルもこのほど、理経(本社:東京と新宿区)の協力を得て「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」を、最新のVR技術で再現したシミュレーターを開発しました。

虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーを最新のVR技術で再現したシミュレーター(以下の写真、資料:森ビル)

いったい、どんなシミュレーターなのかというと、

ナ、ナ、ナ、ナント、

火災発生時の初動訓練

を行うためのものなのです。(森ビルのプレスリリースはこちら

VRゴーグルを通して見た映像。いすが激しく燃え上がり、いつものオフィスが大変なことになっています

これは「火災時初動訓練VRシミュレーター」というもので、現実世界ではめったに体験することがない火災を臨場感あふれるVR空間上に再現して、防災センターの職員や自衛消防組織の担当者などが、様々な機器をバーチャルに操作しながら訓練が行えます。

例えば火災発生現場では、火災報知機の発報を確認してから、非常用エレベーターを強制的に呼び戻す操作や、非常用エレベーターの運転操作を体験できます。

日ごろは全く使うことがない機能なので、どの装置のどのボタンを押せばよいのかなどを、VRによって訓練できます。

その後、消火器や散水栓で消火活動を行ったり、出火階で適切な避難誘導を行ったりします。

非常用エレベーターの強制呼び戻しを行う機器の操作

非常用エレベーターの一次消防運転の操作

散水栓を用いた消火活動の体験

出火階における避難誘導イメージ

このほか、防災センター内では現場対応社員に対する指示や、消防署への119番通報なども体験できます。

火災報知器の作動時に、現場対応社員に対する避難指示を行う訓練

消防署への119番通報。てきぱきと必要事項を伝えます

そして、「最新のVR技術」というのは、出火した部屋のとびらを開けるときの訓練に使われます。今後、

発熱デバイスを導入

して、とびらに触れた際の火災による熱を疑似体験できるようにするのです。

出火した部屋のとびらを開ける前、温度確認をする訓練。発熱デバイスで熱も体感できるようにする

VRで体感できることと言えば、これまでは視覚、聴覚、触覚が中心でしたが、温熱感が加わることで、火災現場の中に心身ともに“没入”でき、訓練の効果も高まりそうです。

また、このVRシミュレーターには、判断や行動に対する採点機能もあり、行動の結果を数値化して評価できます。繰り返し訓練することで、いざというときにスピーディーでムダのない行動がとれるようになりそうですね。

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