管理人のイエイリです。
現場で移動式クレーンを使って作業するとき、クレーンをどこに止めるか、アウトリガーはちゃんと張り出せるか、ブームは周囲の構造物や電線に接触しないかなど、様々なことを検討する必要があり、多くの手間ひまがかかります。
そこで、サン・シールド(本社:愛知県安城市)は、クレーン作業の現場での検討を手軽に行えるiPadやiPhone用アプリ「つったろう」を開発し、このほど無料公開しました。
クレーンの3Dモデルを
ナ、ナ、ナ、ナント、
AR技術で現場に重ねて
表示し、作業を事前に“予習”することができるのです。(つったろうのApp Storeはこちら)
現場のクレーン配置地点に「QRマーカー」を置き、アプリを起動してクレーンの配置位置を合わせます。すると実寸大のクレーンが、現場の風景に重なって表示されます。
あとはクレーンの3Dモデルを操作して、アウトリガーの展開やブームの伸縮・旋回、フックの上げ下げなどの動作を、タブレット上で実機同様に行えます。
クレーンの作業範囲は、画面上に「ドーム表示」されるので、現場でのスケール感が誰でもイメージできます。
クレーンのブームやカウンターウェートなどが現場の障害物が重なると、モデルが隠れるように表示される「オクルージョン」機能が備わっているので、わかりやすく確認できます。
このアプリには、クレーン実機の吊り上げ能力などのスペックデータも内蔵しています。
クレーンのブームを倒しすぎて、吊り上げ能力をオーパーしたときは、
画面と音声で警報
を出す機能が付いているので、安心です。
このARアプリは誰でも手軽に使えて、作業の手戻り防止や安全確保に大いに効果を発揮することでしょう。建設DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、どんなものなのかを実感できそうです。
このアプリはiPad Pro対応として開発されたので、他のiPadやiPhoneでは機能面や操作面が十分、使いにくいこともあります。
サン・シールドの本業は土木工事を中心に手掛ける建設業です。今回はクレーン用のアプリでしたが、他の建設機械のARアプリや作業計画書作製アプリの開発にも着手しているとのことです。
本業の経験やノウハウを生かした今後のアプリ開発には、注目が集まりそうです。