大成建設が山岳トンネルの自動施工へさらに前進! ロックボルト打設、コンクリ厚計測を遠隔で
2021年10月25日

管理人のイエイリです。

大成建設は2020年9月に古河ロックドリルと共同で、狭い山岳トンネル工事現場で、3mロックボルト2本を自動的に継ぎ足して6mロックボルトとして打設する打設専用機「BOLTINGER」を世界で初めて開発しました。

その結果、従来5人で行っていた作業を3人で行えるようにしました。

BOLTINGERにロックボルト固定用のモルタル供給装置は、別の車両に積んでいましたが、このほどBOLTINGERと一体化したことで、ロックボルト打設に関するすべての作業を

ナ、ナ、ナ、ナント、

操作員2人だけ

で行えるようになり、またまた省人化が進んだのです。(大成建設のプレスリリースはこちら

後部にモルタル供給装置を取り付けたロックボルト打設機「BOLTINGER」。木与防災木与第三トンネル工事(発注:国土交通省中国地方整備局)に導入された(以下の写真、資料:大成建設)

BOLTINGERに前方にある打設装置(左)と後方のモルタル供給装置(右)

これまでは2~4t級の車両にモルタル供給装置を搭載していたので、装置を操作する作業員や車両が必要でしたが、BOLTINGERとの一体化で不要になりました。

さらにあらかじめ計画したロックボルトの打設位置や角度、長さを操縦席のモニター画面に表示し、画面上での簡単な操作だけで施工ができるガイダンス機能を導入しました。

これによって、せん孔ブームを設計通りの位置に正確かつスムーズに合わせられるようになりました。

せん孔作業のガイダンス画面

そしてせん孔位置やせん孔速度、圧力などの様々なデータを取得し、BIM/CIMモデルに自動統合できるようにしました。

その結果、地山状況を3次元的に把握できるようになり、岩質の判定(岩判定)や補助工法選定の判断材料として活用できるようになったのです。

BIM/CIMモデルに自動統合されたロックボルトせん孔時のデータ

このほか、大成建設はマック(本社:千葉県市川市)と共同で、掘削面(切羽)への吹き付けコンクリート厚を、レーザー距離表示装置を使ってリアルタイムに測定できる「T-ショットマーカー」も開発しました。

レーザー距離計と表示用のレーザー光を一体化した「レーザー距離表示装置」を、吹き付けマシンの運転席周囲に複数台設置しておき、吹き付け時に厚さを連続計測するものです。

吹き付けコンクリート厚を計測し、切羽面にレーザー光の色や点滅などで表示する「T-ショットマーカ-」

運転席の後方から見たところ(左)と前面から見たところ(右)

吹き付け厚によって緑と赤のレーザー光が、点灯・点滅によって

切羽面に直接、表示

されるため、オペレーターは吹き付け厚をリアルタイムに把握しながら作業が行えます。

目標最小吹き付け厚さを50mmにした場合のレーザー光表示例

レーザー距離表示装置は水平角度や傾斜角度計も内蔵しているため、側壁面の吹き付け厚さも測定できます。また、メンテナンスが容易で水に対する長期耐久性にも優れています。

計測した吹き付け厚データは、制御ボックスに自動保存され、帳票に出力できます。

吹き付け厚が足りないと、切羽から土砂や岩がはがれ落ちる「肌落ち」が発生する心配がありますが、これまではコンクリートに孔を開けてコンベックスなどで直接計測していました。

大成建設は「BOLTINGER」や「T-ショットマーカ-」のほか、支保工を建て込む「T-支保工クイックセッター」や落石を検知する「T-iAlert Tunnel」、コンクリート吹き付け作業を遠隔化した「T-iROBO Remote Shotcreting」などを開発し、山岳トンネル施工の完全自動化に向けた開発を着々と進めてきました。

残るのは、装薬・発破や掘削・ズリ搬出くらいとなり、完全自動化まであと一歩に迫ってきたようです。

大成建設の山岳トンネル施工の自動化構想。施工の自動化や機械化を進め、省力化(現場作業員3名)、遠隔化(現場作業員2名)を図るとともに、将来的には監視員1名だけで実施できる掘削作業の完全自動化を目指している

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