管理人のイエイリです。
発電機やボイラーなどの重量物を建物や工場などに設置する作業はこれまで、仮設の支持材やチェーンブロックなどを使い、熟練の作業員たちが行うのが一般的でした。
しかし、人手不足が今後、ますます深刻化する中、こうした人手に頼った作業は難しくなりつつあります。
そこでJFEエンジニアリングはアクティオ、岡谷鋼機とともに、機器設置用のロボット3種類を開発し、2021年11月18日に報道陣に公開しました。
1台目は機器を運搬、据付するロボット「ECoCa」です。
四角いフレームの下にタイヤが付いており、機器を吊り上げて移動、設置するロボットですが、
ナ、ナ、ナ、ナント、
縦・横・上下に変形
し、機器の大きさに合わせて最小限の寸法に“変身”できるのです。(JFEエンジニアリングのプレスリリースはこちら)
変形できる範囲は縦がそれぞれ1.4~1.8m(または1.8~2.4m)、横が3.0~3.7m、高さが2.0~3.2mです。
自重は3tで、3tまでの機器を運搬、据え付けできます。3種類の走行モードを持っており、四輪操舵や横行、その場旋回が可能です。
従来に比べて、清掃工場に約2tの機器を据え付ける作業では、60%の省人化と85%の時間短縮を実現しました。
2台目は機器を運搬する「Carryf」です。本体重量3tで、5tまでの機器を運搬できます。
このロボットも3種類の走行モードを持っており、四輪操舵や横行、その場旋回が可能です。
特徴はメカナムホイールという特殊な車輪を採用していることです。4輪を正転・反転させながら、自由自在な移動や旋回が行えます。
コントローラーにはゲーム用のコントローラーを採用しました。壊れたときはいつでも取り換えられるようにしたそうです。
また、最大200mmの段差を乗り越えられるという“特技”も持っています。
3台目は配管などを高所に設置する「Dexhand」というロボットです。カニクレーンをベースに開発されました。
クレーンと違うところは、配管などを吊り上げるのではなく、
グリップでつかむ
ところにあります。
手先には、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の「スーパーグリップ」がついており、高い摩擦係数によってしっかりと部材をつかみます。
そのため、クレーン免許や玉掛け作業の技能講習などは必要ありません。
先端には縦横、旋回と3自由度の首振り機構を備えているので、自由自在な位置、角度に配管を設置できます。
これらのロボットは数時間の特別教育を受ければ使えるようにする予定です。
これから事業化に向けて3社で検討を行い、2022年度中に製品化される見込みです。
現場作業の最前線で、便利に使えそうなロボットたちですね。