管理人のイエイリです。
マンションのオーナーや管理組合にとって、最重要課題とも言えるのが、十数年に一度行う大規模修繕工事です。
ただでさえ、修繕積立金が不足している管理組合がある一方、最近は建設業界の人手不足や、建設資材の値上がりなどの問題もあります。
特に工事費をあまりかけられない小規模マンションや、作業員の確保が難しいエリアのマンションでは、大規模修繕工事を乗り越えるのは深刻な課題となっています。
こうした問題を解決しようと、大和ハウスグループの大和ライフネクスト(本社:東京都港区)とセーフィー(本社:東京都品川区)は、新たな工事監理サービスを実施しました。
マンション修繕工事の現場代理人に小型のウエアラブルカメラを装着して、その映像や音声を遠隔地にいる工事監理担当者に送り、
ナ、ナ、ナ、ナント、
工事監理業務をリモート化
したなのです。(大和ライフネクストのプレスリリースはこちら)
工事監理業務とは、管理組合の立場から工事の品質や仕上がり、工程などをチェックする、専門性の高い業務です。
大和ライフネクストは、この業務を提供しており、専門性の高い技術者である工事監理担当者を週に1回程度、現場に派遣して施工会社と進捗確認や検査業務を実施してきました。その件数は2021年度で129件にも上ります。
このウエアラブルカメラを使うと、現場の映像をリアルタイムでパソコンやスマホで見られるほか、ライブで双方向通話ができ、工事監理者からの指示や現場からの確認依頼が可能になります。
また、会話内容や映像が自動的に残るため、作業の振り返りや作業記録として活用でき、管理組合への報告に使えます。
使い方も設定は入らず、電源ボタン1つで使えます。
今回の工事は、ゴンドラを使用する特別な工事だったので、施工会社や工事監理会社にも高い技術力が求められました。
しかし現場は中部・東海エリアにあり、大和ライフネクストの拠点である首都圏や関西圏から離れていました。
そのため当初、予定していた週1回の現場訪問では、高額な移動経費が発生することになります。
そこで、現場訪問を2週に1回に減らし、隔週でリモートによって現場を確認する方法を採用したところ、
遠隔地による値上げなし
で工事監理を行えたのです。
大和ライフネクストは、2020年からセントラル警備保障(本社:東京都新宿区)やセーフィーとともに、事務所から離れたマンションを中心に現場事前調査や工事の品質チェックの実証実験を進めてきました。
現場の若手社員が経験豊富な技術者から、遠隔で指示を受けることができるので、教育ツールとしても有効です。
今後は大規模修繕工事だけでなく、管理員や清掃員を含めた日常管理や、清掃ロボットや警備ロボットへの応用、点検・メンテナンス会社との連携などにも、ウエアラブルカメラの活用拡大を検討していくとのことです。
マンションの管理も、リモート化やロボット化によって、大きく変わっていきそうですね。