管理人のイエイリです。
1973年に開通した関門橋は、本州と九州を結ぶ大動脈として今日も多くの車両が通行しています。
この橋には、地震時に吊り橋全体の損傷を抑制するために「床組み固定装置」というものが装着されています。
床組み固定装置は、摩擦力を利用して吊り橋の揺れを制御するもので、その信頼性はボルトの締め付け力にかかっています。
IHIとIHIインフラシステム(本社:大阪府堺市)は、NejiLaw(本社:東京都文京区)はこのほど、この締め付けボルトを、
ナ、ナ、ナ、ナント、
IoTボルト
に交換し、世界初の長大吊橋モニタリングシステムの運用を始めたのです。(IHIのプレスリリースはこちら)
IoT(モノのインターネット)ボルトとして採用したのは、NejiLawが開発した「smartNeji」です。
NejiLawの“絶対に緩まない”「L/R neji」のボルト頭部に、ボルト軸部の締め付け力や3D加速度センサー、温度センサーなどと、通信モジュールを搭載したものです。
つまり、ボルト1本ずつから、締め付け力などのデータを無線で発信するので、そのデータを無線LANやインターネットを通して共有することで、遠隔地から常時、監視できるというわけです。
絶対に緩まないネジとは、ボルトに右ネジと左ネジの両方を合わせた特殊な溝を付け、右回りナットと左回りナットが互いに「ロック」し合うようにしたものです。
その堅牢さは、業界を超えて評価され、2018年10月には、カシオが生んだスポーツウオッチの最高級モデル
G-SHOCK MR-G
のバンド取り付け部にも採用されました。
smartNejiのセンサーや通信モジュールには、逆にカシオのG-SHOCK技術が導入されているとのことです。
ネジの1本1本から、各種データが送信されてくるとは、IoTによる維持管理の時代がやって来たことを感じさせられますね。