管理人のイエイリです。
これからの人手不足時代に、より少ない人数で建設業を行っていくためには、これまでのように少しずつ業務の効率化を図る「カイゼン」では追いつかず、ゼロベースで業務の進め方を革新していくDX(デジタルトランスフォーメーション)的なアプローチが必要になります。
長谷工グループでは2020年4月から5年間の中期経営計画の一環として、DX人材を育成する「DXアカデミー」を開講しています。
その第一弾として、2021年10月~2022年2月に、長谷工グループの全役職社員約8000人を対象として「DX意識改革プログラム」をオンライン講義で実施しました。
その講師を務めたのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
あの坂村健氏
だったのです。(長谷工コーポレーションのプレスリリースはこちら)
ご存じのように、坂村氏はオープンな組み込みプログラム「TRON」を開発し、東京大学教授として「ユビキタス」や「IoT(モノのインターネット)」などをテーマとした研究で世界的な権威です。
DX分野の第一人者である坂村氏を講師として迎えたわけですから、長谷工グループのDX人材養成に対する真剣さや意気込みが伝わってきますね。
DX意識改革プログラムは、4回にわたる動画講座として行われ、その内容は、基本的なDXの知識や考え方を学ぶものでした。
●DX意識改革プログラムの内容 (1)DXとは何か?~その目的と背景とは~ (2)オープンの力 ~DXが社会に与える変化とは~ (3)DX実現への課題 ~DX実現に必要な意識改革~ (4)DXの実践 ~実践例と導入事例の紹介~、 |
長谷工グループは、その受講者の中から、DXリーダーとなる社員を選抜し、より実践的なスキルを学ぶ第二弾の「イノベーションリーダー育成プログラム」を実施しています。
2022年4月~5月は、長谷工コーポレーションや長谷工アネシスの中堅・若手社員の選抜者約40人、同8月~9月は長谷工グループ各社の選抜者約40人が対象です。
このプログラムでも、坂村氏が講師として参加し、オンライン講義と対面講義のハイブリッド方式で行います。
その内容は、最先端デジタル技術の動向/データサイエンスなど、DX/ITなどに関する基礎知識、
プログラミングの初歩
スキルを学ぶ実践演習、(3)ケーススタディー・グループワークを通じた、デジタルを活用した業務改革・サービスに関する具体的な検討・提言、と実践的な内容になっています。
同グループでは、建物の設計・施工などを行うBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と、居住者の情報をデータ化し、見える化するLIM(ライフ・インフォメーション・モデリング)を統合した、独自の「長谷工版BIM & LIM」を推進しています。(詳しくは、2018年8月2日付けの当ブログ記事を参照)
建設とIT(情報技術)は、分野が大きく異なるため“水と油”のような関係とも言えます。
両分野の知識やスキルを兼ね備えた建設DX人材の養成は、そう簡単ではなさそうですが、それが成功したときは、長谷工版BIM & LIMによるマンションDXが大きく進んでいきそうですね。