管理人のイエイリです。
建設現場で使われるレンタル建機の料金は、レンタル会社によってかなり異なります。こまめに探せば、かなりのコストダウンが期待できそうです。
しかし、日々の施工管理業務に追われる現場担当者には、いろいろなレンタル会社に電話をかけたり、FAXを送ったりして安い建機を探す余裕はありません。
こんな現場担当者のお困りごとを解決するサービス「Arch」を、2022年9月14日、その名も同じArch(本社:大阪市北区)が正式にリリースしました。
建設現場と建機レンタル会社をクラウドでつなぐアプリのサービスで、スマートフォンやパソコンから、複数のレンタル会社に
ナ、ナ、ナ、ナント、
一括見積もり
を取り、最安値のレンタル会社を選び、建機などをオンラインで発注できるのです。(Archのプレスリリースはこちら)
「Arch」のサービスは、着工前から竣工後までの建機レンタル品に関する業務を、トータルでサポートします。
まず、最安値を探すためには「一括見積もりサービス」があります。スマホなどで見積もりを行うレンタル会社とレンタル品を選ぶだけで、複数の会社に相見積もりを依頼できます。
各社から見積もりが返ってきて、レンタル建機などを発注する際も、アプリの画面から簡単に行えるので、電話やFAXといって面倒なものは使わずに済みます。
一括見積もりという手順はあるものの、レンタル建機界の「価格ドットコム」や「最安値ドットコム」を実現したサービスと言えるでしょう。
安いレンタル品を簡単に見つけられるので、建設現場のユーザーは
平均で34%のコスト削減
効果があります。この効果は、原価管理に大いに利用すべきでしょう。
また、見積もり収集と比較にかかる期間を76.6%も削減できるとのことです。
レンタルした建機は、アプリ内の「在庫管理サービス」で、今、どれだけの建機をレンタルしているのかをリアルタイムで把握でき、不要になった建機はアプリ上から返却することもできます。
一方、このサービスは、レンタル会社にとっても、新規顧客開拓にかかる営業時間を2.5時間削減できるほか、飛び込み営業が必要なくなるので、営業担当者の心理的ストレスが軽減されるというメリットがあります。
進捗管理や品質管理で多忙を極める現場では、レンタル建機の発注や管理は、「バックオフィス」的な業務です。
その目立たない部分に着目して、業務を楽にし、コスト削減を実現し、さらにレンタル会社側にもメリットをもたらすサービスを開発できた秘密は、Archの創業メンバー構成にあります。
代表取締役CEOの松枝直氏は竹中工務店で施工管理業務に6年間従事したほか、取締役COOの北山太志氏は建機レンタル会社、アクティオの営業職として5年間勤務した経験があるからです。
そして、このサービスは安藤ハザマがスタートアップ企業と新ビジネスを共創するプログラム「安藤ハザマ アクセラレーター2021」に採択され、開発が行われたものです。
Archのサービス投資家からも評価され、同社はインキュベイトファンド(本社:東京都港区)を引受先として、5000万円の第三者割当増資も実現しました。
このところ、建設関連企業出身者によるスタートアップの活躍が目立ってきていますが、これを契機に建設業界にDX(デジタルトランスフォーメーション)の機運がますます高まることを期待したいですね。