管理人のイエイリです。
オプティム(本社:佐賀市)が開発・販売する「OPTiM Geo Scan」(以下、OPTiMを省略)は、iPhoneやiPadの上位機種に搭載されている3Dスキャン機能、「LiDARセンサー」を使って、手軽に現場などを3D点群計測できるアプリです。
しかも、RTK-GNSS(全地球測位システム)対応の受信器を併用することで、土木工事などで使われる公共座標系による点群データが取得できるのが強みです。(詳しくは2021年6月16日付けの当ブログ記事を参照)
3D点群データには、様々な地形情報が集約されていますが、現場での施工に使うとなると、やはり平面図や縦断図などの2D図面の方が手軽に使えます。
そこで、同社はこのほど、「Geo Scan」の無料オプションである図化アプリ「Geo Design」のアップデートを行い、点群データから、
ナ、ナ、ナ、ナント、
2Dの縦横断図
をCADソフトで作成するためのデータを出力できる機能を追加したのです。(オプティムのプレスリリースはこちら)
その手順ですが、「Geo Scan」で計測した点群データや、杭打ちアプリ「Geo Point」で計測した座標データを「Geo Design」に読み込み、点群から縦横断図を切り出したり、平面図をトレースしたりします。
その2D図面データを、DXF形式やシェイプファイルなどで書き出し、CADソフトに読み込んで様々な用途に利用できるというわけです。
「Geo Design」は、「Geo Scan」のWeb版から利用することができます。
しかし、iPhoneやiPadのLiDARによる計測範囲は、約5m以内と言われていますので、数十mもある道路工事での縦横断測量に使うとなると、“射程距離”がやや短いと感じるかもしれませんね。
オプティムはその対策となるシステムも既に開発中です。それは、安価な高精度LiDARセンサーを
iPhoneなどに外付け
できる世界初のアプリで、スキャン可能な距離を約40mまで伸ばせるのです。
これまでは高さのある法面などを「Geo Scan」で計測するとき、斜面を登り降りながらスキャンする必要がありましたが、この外付けLiDARを使うと、1カ所から計測できるようになります。
このほか接近が難しい土砂崩れ現場や、橋梁、鉄塔、電柱など高さのある構造物も、簡単に点群計測が行えます。
この外付けLiDAR接続に対応した測量アプリは、2022年内に提供開始の予定です。
iPhoneやiPadで公共座標系による点群計測し、その流れで2Dの縦横断測量や平面図化が行えると、現場の生産性は大いに上がりそうですね。