管理人のイエイリです。
劇場やコンサートホールは、建物自体のデザインだけでなく、客席からの舞台の見え方や音質にも問題が内容に、十分な検討が必要です。
そこで竹中工務店は、建物の設計段階で、臨場感のある音響と内観の仕上がり仕上がりイメージを疑似体験できる「高臨場感可聴化システム」を開発しました。
各客席からの劇場内部や舞台の見え方はVR(仮想現実)ゴーグルで、劇場内に響く音の聞こえ方はヘッドホンを体験できるものです。
このシステムのポイントは、音質にも徹底的にこだわっていることです。
劇場内の音の反射などをリアルに再現するため、多数のスピーカーを備えた室内音場シミュレーター「STRADIA」と同等のクオリティーを
ナ、ナ、ナ、ナント、
音響解析と合成
によって、ヘッドホンで聴けるようにしたのです。(竹中工務店のプレスリリースはこちら)
また、ヘッドホンに搭載したセンサー(9軸)で、頭の動きや向きの変化を検知し、音の聞こえる方向や映像の見え方が同時に変わるなど、リアリティーをとことん追求しています。
同社はこのほか、オフィスや店舗での人の動きや会話の聞こえ方を再現できる「動的可聴化システム」も開発しました。
これはVRで建物内をウォークスルーする時に、聞こえる音を同期させるものです。
例えばオフィスのロビーから廊下、オープンルーム、食堂と移動したり、ホテルのフロントから客室、ラウンジに移動したりするシーンの変化をVRで見ながら、音を体験できます。
「静か/騒がしい」「響く/響かない」などの音環境の特徴が事前に把握できるので、音の観点から
内装仕上げやレイアウト
を設計時に検討できます。
これらのシステムは、ヘッドホンとディスプレー、ノートパソコンという簡易な構成なので、どこにでも簡単に持ち運べる「可搬型音場シミュレーター」として活用できます。
同社ではこのシミュレーターによって、劇場やホールなど様々な建物の設計段階で、顧客のイメージに沿った音の環境を構築するとのことです。