管理人のイエイリです。
水道工事の竣工検査で欠かせないのが、「通水確認」です。流し台や洗面所、トイレなどいろいろな部分に設置された蛇口をひねり、水を出した後に、排水がちゃんと排水ますまで届いているのかを確認する作業です。
しかし、この作業は地味に手間ひまがかかっていました。蛇口から水を出した後、しばらくして集水ますにその水が届いているのかを確認するのに、どうしても2人1組で行う必要があったからです。
この作業をなんとか効率化できないかと考えた菅原設備(本社:愛知県津島市)は、スマホアプリ「@Floow」を開発し、2023年1月21日に発売しました。
これまで2人1組で行っていた通水確認を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
1人で行える
ようにしたのです。(菅原設備のプレスリリースはこちら)
1人作業を可能にしたのは、排水ます側の水流を確認する作業者の代わりに、“無人スマホ”を配置したことです。
無人スマホのカメラで撮影した映像は、蛇口側の作業者が持つもう1台のスマホにリアルタイムに送られ、2台のスマホ映像を同時に録画します。
作業者は蛇口側をひねって水を出すところから撮影を開始し、流し台や洗面台の下の配管をチェックし、水漏れがないかを確認します。
そうしている間に、水は配水管を通って、集水ますに到達します。その瞬間は、集水ますに設置した“無人スマホ”がとらえてくれるので、2台のスマホ映像を同時に記録すれば、一連の確認作業を動画で記録できるのです。
最後にワンクリックすれば、動画付きの排水検査書が自動的に作成できます。
このアプリで使用するスマホは、iPhone5以上であればよいので、古いスマホの有効活用にも役立ちそうですね。
気になるアプリ使用料ですが、基本使用料が月額1万円のほか、アカウント料が1人当たり月額5000円必要です。
同社の試算では、このアプリを使うと、2人1組で行っていた作業が、1人だけで完了できるようになり、1件当たり
4500円のコスト削減
が実現できるとのことです。
このほかのメリットとしては、水道工事業者の品質保証に大きな力となることです。これまでの通水検査書は該当項目にチェックを入れるためだったので、引き渡し後に漏水事故が発生した場合、責任の所在が分からない状況でも、水道事業者が対応していました。
しかし、「@Floow」でしっかりと動画で施工時の記録が残していることで、他業者の原因で起こった漏水事故の責任を負うという理不尽なことも減りそうです。