道路舗装に使える鉄筋結束「トモロボ」が登場! 斜めのスペーサー付き「配力筋S」にも対応
2023年3月8日

管理人のイエイリです。

建ロボテック(本社:香川県三木町)が開発、販売する鉄筋結束ロボット「トモロボ」に、またまた新機種が登場しました。

今回は、道路や空港などの舗装に使われる「連続鉄筋コンクリート舗装」に対応させたマシンで、昭和産業グループ(本社:茨城県筑西市)、小財スチール(本社:福岡県福岡市)とともに共同開発しました。

連続鉄筋コンクリート舗装の鉄筋結束に対応した「トロモボ」(写真:建ロボテック)

連続鉄筋コンクリート舗装の鉄筋結束に対応した「トロモボ」(写真:建ロボテック)

その特長は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

斜めに交差する配力筋

の結束ができることなのです。(建ロボテックのプレスリリースはこちら

主筋と配力筋が斜めに交差する配筋の結束が可能になった新機種(右)

主筋と配力筋が斜めに交差する配筋の結束が可能になった新機種(右)

従来のコンクリート舗装は、縦横の鉄筋が直交しており、舗装版の温度収縮を吸収するために、縦横とも一定間隔で目地を設け、そこで温度ひび割れが起こるようになっています。

これに対して、連続鉄筋コンクリート舗装は、舗装版の長手方向に対して配力筋を60度程度の斜め方向に配置し、横目地を省いたものです。

配力筋を斜めにすることで、横ひび割れを分散させることができ、乗り心地がよくなります。さらに耐久性の向上や騒音・振動が減るというメリットもあります。

配力筋が斜めに交差する連続鉄筋コンクリート用の配筋(左)と、通常のコンクリート舗装用配筋(右)

配力筋が斜めに交差する連続鉄筋コンクリート用の配筋(左)と、通常のコンクリート舗装用配筋(右)

普通コンクリート舗装(左)は縦横に目地が入っているが、連続鉄筋コンクリート舗装は横目地を減らすことができる(右)(資料:日本道路協会のウェブサイトより)

普通コンクリート舗装(左)は縦横に目地が入っているが、連続鉄筋コンクリート舗装は横目地を減らすことができる(右)(資料:日本道路協会のウェブサイトより)

斜め配筋に対応するため、機器本体のユニットを左右に分割可能なものとし、車輪のホイールベースを長くすることで左右に傾きが発生したときも、安定して走行できるようにしました。

このほか、バンパーセンサーの位置を変更したり、結束機の昇降や鉄筋検知のタイミングを制御したりするソフトウエアも改良しました。

そして、このマシンにももう一つ、特長があります。それはコンクリート版下面から配力筋を浮かすための「スペーサー」材をあらかじめ溶接した

「配力筋S」に対応

したことです。

配力筋Sを使った配筋の例。配力筋にはあらかじめスペーサー材が溶接されている

配力筋Sを使った配筋の例。配力筋にはあらかじめスペーサー材が溶接されている

配力筋Sとは、スペーサー材をあらかじめ溶接し、一体化した製品です。

従来工法はスペーサー設置→配力筋設置→結束→主筋設置→結束、という5工程が必要だったに対しの、配力筋Sを使うことで、配力筋S設置→主筋設置→結束の3工程で済みます。その分、鉄筋組み立て作業も1.4~2.0倍速くなるとのことです。

配力筋Sは青森昭和産業(本社:青森県弘前市)が開発しました。国土交通省の新技術情報システム「NETIS」にも登録され、2021年9月から最上位の「活用促進技術」(登録番号:TH-170013-VE)に選定されています。

この配力筋S対応のトモロボは、山形県や島根県の道路舗装工事2件で現場実証を行い、改良を重ねてきました。今後は2023年4月以降にサービス開始を予定しており、NETIS登録も行っていく方針です。

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