管理人のイエイリです。
土木工事現場の上空では、ドローン(無人機)が当たり前のように飛び交う時代になりましたが、海面下でも水中ドローンの活躍が始まりました。
岸壁などの港湾構造物の維持管理ではこれまで、潜水士による点検が行われてきましたが、コストや時間がかかるうえ、写真撮影が狭い範囲に限られるので構造物全体の把握が難しいという課題がありました。
そこで東亜建設工業はこのほど、水中ドローンにカメラを搭載し、岸壁の点検を試験的に行いました。
その結果、水中ドローンで撮影した写真をもとに、
ナ、ナ、ナ、ナント、
海中の3Dモデル
やオルソ画像を作成することに成功したのです。(東亜建設工業のプレスリリースはこちら)
今回の試行では、多少、濁りがある海域でも、構造物を垂直に見た「オルソ画像」が作成でき、寸法などの計測が行えることを確認しました。
また、潜水士が撮影した写真や、水上からロッドに取り付けたカメラを水中に下ろして撮影した写真からも、高品質な水中の3Dモデルを作成することができました。
この技術によって、港湾構造物の破損や変形、亀裂の有無や水生生物の付着状況などの調査を、広範囲かつ低コストで行えることが確認できました。
定期的に調査を行うと、構造物の経時変化も把握できます。
調査に使用した水中ドローンは、米国・ブルー・ロボティクス(Blue Robotics。本社:カリフォルニア州トーランス)の「BlueROV2 オクトパス」という機種です。
日本の代理店である水中ドローン社の公式ストアでは、2023年4月21日現在、151万8000円(税込み)で販売されていますが、上の写真を見るとオプションの機器がいろいろと追加されているようですね。
東亜建設工業では、今回の試行の成功を受けて、
水中ドローンの自動制御
や、解析作業のリアルタイム化に取り組む予定です。
そして水中ドローンに非接触センサーを搭載して、岸壁の劣化状況を計測するなど、さらなる維持管理の効率化も行っていきます。
そうなると港湾構造物の維持管理も、デジタルツイン(デジタルの双子)が導入されていきそうですね。