“ポツンと建つ”送電施設をドローンで遠隔監視! センシンロボティクスらが実証に成功
2023年5月12日

管理人のイエイリです。

電力会社には、長い距離を送電するため、山の中などに“ポツンと建っている施設が多数あり、日々、運用管理を行っています。

東北電力ネットワーク(本社:宮城県仙台市)が管理するマイクロ波無線中継所もその一つです。山頂部にあるこの施設は、自然災害による倒木や冬季の積雪によって、車両が通行できなくなることもあります。

そんな時に設備の異常が発生した場合は、社員や協力会社のスタッフが徒歩で現地に向かい、設備や配電線などを点検していますが、作業の安全性や効率の点で課題がありました。

山頂に建つマイクロ波無線中継所(以下の写真、資料:センシンロボティクス)

山頂に建つマイクロ波無線中継所(以下の写真、資料:センシンロボティクス)

この課題を解決しようと、同社とセンシンロボティクス(本社:東京都品川区)は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

ドローンを施設に常駐

 

させて、施設の屋内外を遠隔巡視するための実証実験を行い、見事、成功したのです。(センシンロボティクスのプレスリリースはこちら

マイクロ波無線中継所の施設内部を飛行しながら点検するドローン

マイクロ波無線中継所の施設内部を飛行しながら点検するドローン

計器から遠隔で数値を読み取ることもできます

計器から遠隔で数値を読み取ることもできます

実験に使用したドローン(無人機)は、「Skydio2+」です。この機種は、カメラ画像から自己位置を推定する「Visual-SLAM」という機能を搭載しているため、GNSS(全地球測位衛星システム)の電波が届かない屋内などでも障害物を回避しながら自律飛行が行えます。ドローンを離陸させるときも、遠隔地からボタンを押すだけです。

屋外の施設点検については、無線中継所内の高さ約60mの無線鉄塔に設置されたパラボラアンテナや導波管の巡視を行いました。

ここではWi-Fi環境を構築して、屋内の通信機械室や電源室から、屋外の無線鉄塔までの飛行ルートを、シームレスに自律飛行することができました。

無線中継所内の無線鉄塔の点検画像

無線中継所内の無線鉄塔の点検画像

このほか、無線中継所の屋外に、

 

ドローンの“家”

 

となる「SENSYN Drone Hub」を設置し、ここを起点に巡視路の遠隔監視を想定した実験を行いました。

ドローンの"家"となる「SENSYN Drone Hub」。着陸後はカバーが自動的に閉まり、自動離着陸や自動充電、撮影データの自動転送などが行える

ドローンの”家”となる「SENSYN Drone Hub」。着陸後はカバーが自動的に閉まり、自動離着陸や自動充電、撮影データの自動転送などが行える

巡視路の遠隔監視を想定した飛行ルート

巡視路の遠隔監視を想定した飛行ルート

あらかじめ設定した飛行ルートに沿ってドローンを飛行させ、状況確認に必要な画像データを取得することができました。

インフラ関係では、交通の便が悪いところやアクセスしにくい場所にも、様々な施設があります。現場に常駐したドローンによる自動巡回が実現すると、人が現地に向かう「移動のムダ」や「手待ちのムダ」をなくして作業の生産性向上を実現できるだけでなく、安全性の向上や働き方改革にも、大きな効果を発揮しそうですね。

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