カシワバラの“ドローンパイロット社員”が60人に! 塗装会社が取り組むDX経営戦略
2023年5月11日

管理人のイエイリです。

カシワバラ・コーポレーション(東京本社:東京都港区)は、1949年に柏原塗装店として創業してから70年を超えました。

今では塗装を軸に、マンションの大規模修繕や住宅のリフォームやリノベーション、石油化学プラントのメンテナンスなどを、積極的に展開しています。

塗装会社というと、地味なイメージもありますが、「当たり前を、ノリベーションし続ける」をモットーとするカシワバラ・コーポレーションの経営は、新しい時代の修繕事業に変身しつつあります。

同社は、建物の屋根などを点検する際に使用するドローン(無人機)を使用していますが、このほど、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

社員パイロットが60人

 

に到達したのです。(カシワバラ・コーポレーションのプレスリリースはこちら

その結果、全国の26営業所にパイロットと機体を配置し、ドローンによる調査や診断を機動的に行えるようになりました。

建物点検のため、ドローンを操縦する社員パイロット。必要な時は、各地の営業所からすぐに出動できる(以下の写真、資料:カシワバラ・コーポレーション)

建物点検のため、ドローンを操縦する社員パイロット。必要な時は、各地の営業所からすぐに出動できる(以下の写真、資料:カシワバラ・コーポレーション)

今回のパイロットの教育・配置によって行うのは、同社が2020年に資本提携したCLUE(本社:東京都品川区)が提供する屋根の外装点検サービス「DroneRoofer」を利用するもので、建物診断から提案、修繕工事までを一貫したサービスとして提供します。

これまでの大規模修繕では、建物劣化の状況や箇所数、面積などを手作業で測ったり、手計算で数量を拾ったりする必要がありました。

そこにドローンを導入することで、手間ひまのかかる計測や数量計算を、ドローンが空撮した写真を使って効率的に行えるので、見積もりも効率的に行える強みがありますね。

「DroneRoofer」で空撮した建物屋根の写真

「DroneRoofer」で空撮した建物屋根の写真

空撮写真から屋根の寸法や面積を算出した例

空撮写真から屋根の寸法や面積を算出した例

外壁や開口部の寸法も空撮写真から求められる

外壁や開口部の寸法も空撮写真から求められる

同社はCLUEのほかにも、DRONE PILOT AGENCY(本社:東京都中央区)や、センシンロボティクス(本社:東京都品川区)といったドローン関連のスタートアップ企業にも投資しており、これらの会社のソリューションも提供しています。

様々な現場の撮影や、画像解析技術による点検や診断が行えるDRONE PILOT AGENCYのドローン機体

様々な現場の撮影や、画像解析技術による点検や診断が行えるDRONE PILOT AGENCYのドローン機体

センシンロボティクスのドローンによる太陽光発電設備の点検

センシンロボティクスのドローンによる太陽光発電設備の点検

散在する太陽光発電設備の点検も、ドローンならまとめて行える

散在する太陽光発電設備の点検も、ドローンならまとめて行える

塗装業を軸に展開してきたカシワバラ・コーポレーションのDX(デジタル・トランスフォーメーション)は、ドローンの積極活用だけにとどまりません。

同社はAI(人工知能)による外壁の画像解析や、360度パノラマVR(仮想現実)による現場のクラウド管理、ロボットや3Dスキャナーによる点検など、様々な

 

デジタル・ソリューション

 

を展開しており、「デジタル・ソリューションカタログ」としてネット上に公開しています。

AIやロボット、3Dスキャナーなどの最新技術が満載の「デジタル・ソリューションカタログ」

AIやロボット、3Dスキャナーなどの最新技術が満載の「デジタル・ソリューションカタログ」

カシワバラ・コーポレーションでは、建設テックスタートアップに投資するプロジェクト「JAPAN CON-TECH FUND」を2019年3月に開始し、スタートアップ企業が持つ新技術の実証現場を提供したり、導入支援を行ったりしてきました。

今回のドローン事業も、このプロジェクトが母体となって生まれたものです。

「塗装」というと地味な産業のように思えますが、逆に言えばユーザーのニーズを集約し、サービスを提供する窓口としての機能もあります。建設業は参入障壁が高いと感じるスタートアップにとっては魅力的な窓口です。

そして、カシワバラ・コーポレーションには、各社のソリューションを集めることで、相乗効果のある“塗装DX”を展開できるメリットがあります。

多くの顧客を抱える老舗の建設業にとって、顧客との「窓口」の立ち位置を有効に活用することは、重要な経営戦略になりそうですね。

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