管理人のイエイリです。
カシワバラ・コーポレーション(東京本社:東京都港区)は、1949年に柏原塗装店として創業してから70年を超えました。
今では塗装を軸に、マンションの大規模修繕や住宅のリフォームやリノベーション、石油化学プラントのメンテナンスなどを、積極的に展開しています。
塗装会社というと、地味なイメージもありますが、「当たり前を、ノリベーションし続ける」をモットーとするカシワバラ・コーポレーションの経営は、新しい時代の修繕事業に変身しつつあります。
同社は、建物の屋根などを点検する際に使用するドローン(無人機)を使用していますが、このほど、
ナ、ナ、ナ、ナント、
社員パイロットが60人
に到達したのです。(カシワバラ・コーポレーションのプレスリリースはこちら)
その結果、全国の26営業所にパイロットと機体を配置し、ドローンによる調査や診断を機動的に行えるようになりました。
今回のパイロットの教育・配置によって行うのは、同社が2020年に資本提携したCLUE(本社:東京都品川区)が提供する屋根の外装点検サービス「DroneRoofer」を利用するもので、建物診断から提案、修繕工事までを一貫したサービスとして提供します。
これまでの大規模修繕では、建物劣化の状況や箇所数、面積などを手作業で測ったり、手計算で数量を拾ったりする必要がありました。
そこにドローンを導入することで、手間ひまのかかる計測や数量計算を、ドローンが空撮した写真を使って効率的に行えるので、見積もりも効率的に行える強みがありますね。
同社はCLUEのほかにも、DRONE PILOT AGENCY(本社:東京都中央区)や、センシンロボティクス(本社:東京都品川区)といったドローン関連のスタートアップ企業にも投資しており、これらの会社のソリューションも提供しています。
塗装業を軸に展開してきたカシワバラ・コーポレーションのDX(デジタル・トランスフォーメーション)は、ドローンの積極活用だけにとどまりません。
同社はAI(人工知能)による外壁の画像解析や、360度パノラマVR(仮想現実)による現場のクラウド管理、ロボットや3Dスキャナーによる点検など、様々な
デジタル・ソリューション
を展開しており、「デジタル・ソリューションカタログ」としてネット上に公開しています。
カシワバラ・コーポレーションでは、建設テックスタートアップに投資するプロジェクト「JAPAN CON-TECH FUND」を2019年3月に開始し、スタートアップ企業が持つ新技術の実証現場を提供したり、導入支援を行ったりしてきました。
今回のドローン事業も、このプロジェクトが母体となって生まれたものです。
「塗装」というと地味な産業のように思えますが、逆に言えばユーザーのニーズを集約し、サービスを提供する窓口としての機能もあります。建設業は参入障壁が高いと感じるスタートアップにとっては魅力的な窓口です。
そして、カシワバラ・コーポレーションには、各社のソリューションを集めることで、相乗効果のある“塗装DX”を展開できるメリットがあります。
多くの顧客を抱える老舗の建設業にとって、顧客との「窓口」の立ち位置を有効に活用することは、重要な経営戦略になりそうですね。